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米財務省、IRA下のEV充電器・水素補給施設設置に対する税額控除規則案を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月19日 10時45分

米国財務省と内国歳入庁(IRS)は9月18日、インフレ削減法(IRA)による代替燃料施設に対する税額控除(内国歳入法第30C条、以下30C)の規則案(NPR)と追加ガイダンスを発表した

30Cは2005年にエネルギー政策法の下で発効し、2021年末に失効していた。だが、2022年8月にIRAによって復活し、控除額の引き上げや、対象となる地域の制限などの修正が加えられた。今回のNPRでは、電気自動車(EV)用充電器や水素燃料補給施設などの設置費用の1基(注1)当たりで、個人に対しては1,000ドルを上限に費用の30%、企業や政府機関に対しては10万ドルを上限に費用の6%(企業が賃金や職務訓練における要件を満たした場合は人件費を含む費用の30%)が税額控除されることが定められた。いずれも国勢調査に基づいた低所得のコミュニティー、あるいは都市部ではないと指定された区域での設置分に限定されるが、財務省によると、居住者数で全米の約3分の2が網羅される(注2)。なお、2023年1月1日~2032年12月31日に稼働の機器、施設が対象となる。

財務省は、車両の耐用年数を15年とすると、EV所有者は同等のガソリン車を購入した場合よりも合計で1万8,000~2万4,000ドル節約でき、燃料費の貢献が最大だと見積もっている。ジョン・ポデスタ大統領上級顧問(国際気候政策)は「より多くの米国人がEVに乗り換えるのを支援するには、都心部から田舎まで、住み、働き、買い物をする場所で充電できるようにする必要がある。IRAは、家庭や企業がEV充電器の設置費用を最大30%節約することで、充電へのアクセスを拡大する」と述べた。

2024年上半期のクリーンビークルの販売台数は、前年同期に比べ伸びが縮小した(2024年7月11日記事参照)。新たな消費者層を取り込むためには、低所得者コミュニティーや、都市部以外への普及は必須とされている。英国コンサルティング会社アーンスト・アンド・ヤングが9月9日に発表した調査結果によると、今後2年間で新車購入予定者のうち、EVを希望する消費者は2023年より14ポイント減少し、その主な要因は充電器不足だった。バイデン政権は2030年までに50万基の設置を目標としているが、エネルギー省によると、2024年9月時点で約18万基に過ぎず(注3)、充電器設置の拡大は重要課題の1つとなっている。

(注1)1充電ポートを1基と数える。

(注2)詳細はエネルギー省ホームページを参照。

(注3)充電性能で1時間で10~20マイル(約16.1~32.2キロ)走行できるレベル2と、20分で60~80マイル(96.6~128.7キロ)走行できる直流(DC)急速充電器の合計。

(大原典子)

(米国)

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