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バイデン米政権、UFLPA事業者リストに中国のマグネシウム製品企業など5社を追加(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月13日 14時0分

添付資料PDFファイル(156 KB)

米国国土安全保障省(DHS)は8月8日、ウイグル強制労働防止法(UFLPA)に基づく輸入禁止対象の事業者を掲載した「UFLPAエンティティー・リスト(EL)」に中国企業5社を追加したと発表した。翌8月9日付の官報で公示した。

UFLPAは、2022年6月に施行された米国法だ。(1)物品の採掘・生産・製造が中国の新疆ウイグル自治区で行われた場合、または(2)UFLPAのELで指定された企業・団体が物品の生産などに関与した場合に、強制労働の利用があるとみなして米国への輸入を禁止する。これまで、同リストには68企業・団体が指定されていた。今回の追加指定で、同リストに掲載される事業者数は合計で73企業・団体となった(注1)。

今回追加指定された5社のうち、3社は同自治区で採掘・生産されたマグネシウムなどを調達し、マグネシウム肥料・合金の製造や販売を行っているとの疑いに基づく。また、2社はウイグル人などを同自治区内外の工場に移送して強制労働にあたらせる同自治区政府主導のプログラムに協力し、亜鉛や銅など非鉄金属の採掘や建設資材の製造を行っているとの疑いに基づく。

DHSのロバート・シルバーズ次官はプレスリリースで、「企業はデューディリジェンスの実施を通じて、製品がどこで製造されているのかを知っておく必要がある」「われわれは、UFLPAのELへの追加基準を満たすさまざまな分野の事業者を引き続き指定し、米国税関・国境警備局(CBP)は港湾での取り締まりを継続する」と述べた。実際に、UFLPAは執行強化の動きが続いている(注2)。DHSは2024年5月以降、中国企業29社をUFLPAのELに追加指定したほか(2024年5月20日記事2024年6月12日記事参照)、7月には優先執行分野を拡大し、アルミニウムなど3分野を追加した(2024年7月11日記事参照)。

今回追加された企業が生産に関与した製品は、8月9日以降に米国への輸入が原則禁止される。なお、UFLPAにはいわゆる付加価値基準やデミニミス基準のような例外規定は存在しない。少量であっても、その物品に同自治区やUFLPAのELで指定される企業・団体が関与した原材料が含まれる場合は、それに実質的変更を加えるよう中国以外の国・地域で加工された場合でも、UFLPAに基づく輸入差し止めなどの執行対象となる。CBPが公表するUFLPAに基づく執行データ(2024年7月1日時点)によると、国別の執行件数は中国(2,957件、3億8,087万ドル)が最多だが、金額ベースでは、マレーシア(1,999件、15億1,822万ドル)、ベトナム(2,800件、9億8,916万ドル)、タイ(940件、4億9,263万ドル)などのASEAN諸国が中国を上回っており、第三国からの物品に対しても執行が及んでいる実態がうかがえる(添付資料図1~3参照)。

(注1)併せて指定されている子会社や関連組織を除く。

(注2)UFLPAの概要や動向はジェトロの特集「ウイグル強制労働防止法」を参照。

(葛西泰介)

(米国、中国)

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