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ミレイ大統領が就任後ブラジル初訪問、ルーラ大統領とは面会せず(アルゼンチン、ブラジル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月10日 11時25分

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、7月6~7日にブラジルのサンタカタリーナ州(以下SC州)を訪問した。2023年12月に大統領就任後、初のブラジル訪問となったが、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領と初となる会談は実現しなかった。

両国は現在、首脳レベルでの関係が冷え込んでいる(注1)。ブラジルのルーラ大統領は2023年12月に行われたミレイ氏の大統領就任式に出席しておらず、2024年6月に行われたG7サミットにおいても両氏が挨拶を交わすことすらなかった。ミレイ大統領は2024年4月に、アルゼンチンのディアナ・モンディーノ外相を通じてルーラ大統領に宛てた書簡を送った、と報じられたが、現在まで両氏の首脳会談は一度も行われていない。

今回の訪伯について、アルゼンチン大統領報道官によれば、「ミレイ大統領はSC州知事や同州の起業家との面会などを優先事項としており、経済開発の観点で我々にとって重要である」と公表している。またアルゼンチン政府は、ブラジル政府に対し今回の訪問について公式な通告は行ったものの、護衛や配車などの協力要請をせず、代わりにサンタカタリーナ州政府への協力を呼びかけていた。

さらに今回の訪伯では、自身と親交の深いジャイール・ボルソナーロ前ブラジル大統領が開催した保守派の政治イベント「保守政治行動会議(CPAC BRASIL、注2)」に参加し演説を行った。演説でミレイ大統領は、ルーラ大統領への直接的な批判を控えたものの、ウゴ・チャベス元ベネズエラ大統領やエボ・モラレス元ボリビア大統領などを名指しで、近年の中南米では社会主義が経済的・社会的観点から悪影響を及ぼしているとの考えを示した。

ルーラ大統領、メルコスール首脳会議欠席のミレイ大統領を批判

ミレイ大統領は、7月8日に開催された第64回メルコスール首脳会合を欠席し、モンディーノ外相が代理で出席した(2024年7月9日記事参照)。同会合後、記者団からミレイ大統領の不在について問われたルーラ大統領は「アルゼンチンのような重要な国の大統領がメルコスールの会合に参加しないのは大変愚かで、アルゼンチンにとって悲しいことだ」と非難した。また、ミレイ大統領がCPACに参加していたことについて問われた際は、「CPACは反社会的で、反人民的、反民主的だ。共和国の大統領が極右なことをして時間を無駄にするのは、とても不快だ」と強い口調で批判した。

(注1)ミレイ大統領はルーラ大統領を「腐敗した共産主義者」と呼ぶ一方、ルーラ大統領はミレイ氏の度重なる挑発的な発言に対して謝罪を求めていた。ミレイ大統領は7月2日にも、自身のX(旧Twitter)のアカウントに、ルーラ大統領を批判する長文の投稿を載せており、関係性の改善は見られない。

(注2)1964年に米国で発足した、保守主義の政治家や活動家などが集い、幅広いテーマについて議論する国際政治カンファレンス。ブラジルでは、2019年19月に発足以降、今回で5回目の会議となった。

(小西健友)

(アルゼンチン、ブラジル)

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