トランプ米大統領、大統領科学技術諮問委員会(PCAST)設立を発表(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月27日 10時55分
米国のドナルド・トランプ大統領は1月23日、同政権下に大統領科学技術諮問委員会(PCAST)を設立すると発表した。
発表では、冒頭で人工知能(AI)や量子コンピューティング、先進バイオテクノロジーなどの進歩が世界のパワーバランスをつくり変え、全く新しい産業を生み出し、生活や労働のあり方を革命的に変える可能性を秘めているとして、米国がこれら分野で疑問が呈されない技術的優位性を維持・獲得することは国家安全保障上不可欠だと述べた。その上で、これを達成するために、学術界や産業界、政府から有望な人材を集め、大統領科学技術諮問委員会(PCAST)を設立するとした。
発表によると、PCASTは24人以内の委員で構成し、そのうち大統領補佐官(科学技術政策担当、APST)とAI・暗号資産担当特別補佐官が委員となり、共同議長を務める。AI・暗号資産担当特別補佐官はトランプ政権2期目で設けられた役職で、トランプ氏はペイパルの元最高執行責任者(COO)のデビッド・サックス氏を指名している。残りの委員は、科学、技術、教育、イノベーションに関する多様な視点と専門知識を有する連邦政府以外の人物を大統領が任命する。委員らは行政業務の日当に関する法律に基づいた旅費は受け取れるが、原則としてPCASTの業務に対する報酬はない。
PCASTは、科学、技術、教育、イノベーション政策に関して大統領に助言するほか、米国経済、米国労働者、国家安全保障などの公共政策の策定に必要な科学的・技術的情報を大統領に提供する。また、必要に応じて機密情報へのアクセス権を付与されることもある。PCASTの期限は、大統領による延長がない限り、発表日から2年後となっている。
トランプ政権は同日にファクトシートも発表しており、PCASTの目的として、イノベーションへの大胆な投資、官僚的障壁の撤廃、米国が世界の科学技術の中心的存在であり続けるための行動の推進を掲げている。
(赤平大寿)
(米国)
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