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11月の米住宅ローン金利は上昇傾向も、住宅建設に対する事業者の信頼感は安定(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月3日 14時50分

米国連邦住宅金融抵当公庫(フレディマック)は11月27日、11月第4週の住宅ローン金利を公表した。11月は連邦準備制度理事会(FRB)が9月会合に続いて利下げを行った(2024年11月8日記事参照)ものの、ドナルド・トランプ次期大統領の当選を受けて国債利回りが高止まりし、30年物固定住宅ローン金利は6.81%まで上昇した。

こうした金利上昇の影響は、まちまちの状況となっている。米商務省が発表した10月の新築住宅販売は、金利上昇の影響を受けて前月比17.3%減の61万戸と大幅減少となった。他方で、全米不動産協会(NAR)が発表した10月の中古住宅販売は3.4%増の396万戸と3カ月ぶりに増加し、前年同月比でも2.9%増と約3年ぶりに増加に転じた。中古住宅販売の増加に関しては、在庫の増加のほか、9月末の金利低下の影響を指摘する声もある。ローン組成の際、担保の評価に時間がかかり金利低下を享受しづらい新築住宅販売の動きと乖離が生じた可能性がありそうだ。

米商務省が発表した住宅着工件数も新築住宅販売と同様の傾向で、戸建てが前月比6.9%減の97万戸、集合住宅が9.8%増の32万6,000戸となった結果、全体では3.1%減となった。また、先行きを占う住宅着工許可件数も0.6%減だった。もっとも、南部ではハリケーンの影響で建設に着手できなかったケースも含まれており、この影響は差し引いてみる必要がありそうだ。

金利の動向次第で、住宅市場はしばらく変動の大きい状況が続く可能性があるが、住宅建設事業者のマインドは引き続き安定している。全米住宅建設業者協会(NAHB)と米金融機関ウェルズ・ファーゴが発表した11月の住宅マーケット指数(HMI、注)は46と3カ月連続で改善した。特に6カ月先の住宅販売見込みについては、前月から7ポイント上昇の64となるなど先行きに対する期待感は高い。

(注)NAHBに加盟する戸建て住宅建設事業者に対し、新築戸建て住宅販売の現状・見通しなどについて調査し、景況感を把握するもの。数値が高いほど、建設事業者の楽観度が高いことを意味する。

(加藤翔一)

(米国)

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