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中央銀行、物価下落に対応し政策金利引き下げ(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月29日 11時35分

添付資料PDFファイル(430 KB)

スリランカ中央銀行(CBSL)は11月27日、新たに「オーバーナイト政策金利(Overnight Policy Rate:OPR)」を導入し、政策金利を8.0%に設定すると発表した。CBSLは2024年7月以降、市中銀行によるCBSLへの預金にかかる中銀預金金利(Standing Deposit Facility Rate:SDFR)を8.25%、CBSLから市中銀行への貸し出しにかかる中銀貸出金利(Standing Lending Facility Rate:SLFR)を9.25%としてきたが、政策金利を一本化するとともに、金利を引き下げたかたちだ。CBSLは金利引き下げの理由として、短期的なデフレーションやインフレ圧力、インフレ期待の緩和、好調な対外経済などを挙げ、インフレ率が目標とする5%に向かうよう支援する。また、政策金利の一本化については、金融政策の効率性と有効性を高めるためとしている。

最大都市コロンボの消費者物価指数(CCPI)上昇率(インフレ率、注1)は9月に前年同月比マイナス0.5%、翌10月に同マイナス0.8%を記録し、2カ月連続で物価が下落している(添付資料図参照)。CBSLは物価下落の理由として、電力料金や燃料価格の改定、食品価格の安定化などを挙げている。今後の見通しについては、物価下落が数カ月間継続した後に金融政策の調整を受けて、2025年半ばには物価上昇に転じると見込む。

そのほか、CBSLによる市場分析は次のとおり。

民間金融市場については、市中銀行の民間セクターとの信用取引が拡大傾向にあると指摘し、その理由として、現在の市場貸出金利が良好な水準にあることや、国内経済活動の拡大期待などを挙げた。

対外経済については、輸入の増加が輸出の拡大を上回ったため貿易赤字が広がった一方で、観光収入と郷里送金の拡大によって経常収支は改善した。2024年1~9月の貿易赤字は前年同期比25.7%増の42億ドルとなったが、観光収入が同61.2%増の23億4,800万ドル、郷里送金が同11.5%増の48億4,400万ドルで、9月末時点の外貨準備高(注2)は2023年末から38.2%増加の59億9,400万ドルとなった。9月の輸入額(16億4,570万ドル)を基準にすると3.6カ月分に相当する。

(注1)コロンボ・ベースのCCPIは基準年2021年=100としている。

(注2)外貨準備高の59億4,900万ドルには、用途が制限される中国人民銀行(中央銀行)からのスワップ枠約13億8,000万ドルが含まれる。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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