米エクソンモービル、アルジェリアで初の天然ガス開発事業に合意(アルジェリア、米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月3日 1時5分
アルジェリアの国営炭化水素公社ソナトラックは5月23日、米国石油メジャーのエクソンモービルと、天然ガスなど炭化水素の開発に関する合意書を締結した(5月23日付同社プレスリリース)。同合意書に基づき、アルジェリア南部にあるアフネットとグララ地区で、炭化水素の開発に向けた事業化の可能性を評価する。米国経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」によると、事業化が実現すれば、同社にとってアルジェリアで初の開発事業となる。
一方、ソナトラックは同日、米石油開発サービス大手ベーカー・ヒューズとイタリアのエンジニアリング大手マイレ・テクニモントのコンソーシアムとの間で、アルジェリア南部に位置する世界最大級のハッシルメル・ガス田の増産に関するEPC契約(注)を締結した。同契約に基づき、ハッシルメル・ガス田に設置されているガス処理施設に圧縮機トレイン20基を提供する。契約額は発表されなかった。
アルジェリアは2023年に、ノルウェーに続く第2の欧州向け天然ガス供給国となった。アルジェリアからモロッコを経由して、スペインと結んでいる天然ガスパイプライン「マグレブ・ヨーロッパ」がモロッコとの断交によって稼働が停止されている中(2021年9月6日記事参照)、ソナトラックは現在、アルジェリアとスペインを直接結ぶ「メッドガス」と、チュニジアを経由してイタリアと結ぶ「トランスメッド」の2本のパイプラインを通じて、イタリアとスペインに年間約300億立方メートルの天然ガスを輸出している。フランス、イタリアなどの外資系企業(2024年4月16日記事、2023年2月3日記事参照)がエネルギー部門でアルジェリアとの関係を強化している。
輸出の拡大に加えて、アルジェリア国内でも天然ガスへの需要が高まり、生産や輸送能力に関する懸念がある中(2022年3月3日記事参照)、米国企業も同国の天然ガス生産能力の拡大に向け、積極的に市場参入を図っている。米国系では、エクソンモービルとベーカー・ヒューズ以外にも、石油準メジャーのオキシデンタル・ペトロリアム、石油サービス大手ハリバートン、SLBがアルジェリアに既に進出している。
(注)Engineering(設計)、Procurement(調達)、Constructing(建設)を一括したプロジェクトとして請け負う契約形式。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア、米国)
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