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米FRB、政策金利の誘導目標は据え置き、FOMC参加者の見通しでは利下げ回数が年内1回に減少(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月13日 16時45分

添付資料PDFファイル(725 KB)

米国連邦準備制度理事会(FRB)は6月11~12日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を現在の5.25~5.50%に据え置くことを決定した(添付資料図参照)。7会合連続での据え置きとなる。据え置きの決定は参加者12人の全会一致だった。

発表された声明文のうち、金利以外の箇所では、インフレの状況に関し、このところの物価に関する指標(2024年5月16日記事2024年6月13日記事参照)を受けて、「2%のインフレ目標に向けて控え目な前進があった」と判断を修正した。また、今回は声明文とあわせ、四半期に1度のFOMC参加者による中長期経済見通しが提示された。主な内容は次のとおり(添付資料表1参照)。

(1)FF金利

2024年初来のインフレの動向などを踏まえ、前回のFOMC(2024年5月7日記事参照)後の会見などでも2024年内における利下げ回数の変更が示唆され、利下げの減少幅が注目されていたところ、2024年のFF金利の誘導目標の予測中央値については、5.1%(前回見通し4.6%)と、現在の水準(5.25~5.50%)から1回分(前回見通し3回分)(注)の引き下げとなっている。

各参加者のスタンスをみても、2024年の金利水準について、現在の水準の維持を想定する者が4人(前回2人)、1回分の利下げを想定する者が7人(前回2人)、2回分の利下げを想定する者が8人(前回5人)となっており、3回分以上の利下げを想定する者はゼロ(前回は3回が9人、4回が1人)と前回と比べて大幅にタカ派に振れている(添付資料表2参照)。

他方、2025年の金利水準については4.1%(前回3.9%)とされ、引き下げは4回分(前回3回分)と、1回分、利下げ幅が拡大している。長期見通しについては、前回の見通しに続いて引き上げられ、2.8%(前回2.6%)となった。

(2)インフレ率

2024年のインフレ率(PCE)の予測中央値は2.6%と、前回見通し(2.4%)から引き上げられ、FOMC参加者の予測レンジも2.5~3.0%(前回2.2~2.9%)と全体的により高い水準で収斂(しゅうれん)した。5月の消費者物価指数(CPI)は、4月に続いて緩やかにインフレ率が低下しており、声明文でもこうしたデータを念頭にインフレは改善傾向にある旨が述べられた。ただし、ジェローム・パウエルFRB議長は「正しい方向への一歩だが、1つのデータにあまり左右されたくない」として、2%の物価安定目標の達成に向けた今後の道のりに関しては、慎重な姿勢を保っている。また、2024年のコアインフレ率(コアPCE)の予測中央値は2.8%と、前回見通しから0.2ポイント上方修正された。4月のコアPCEは2.75%で(2024年6月4日記事参照)、現在とほぼ変わらない水準が続く見込みだ。他方、長期インフレ率については2.0%に据え置かれている。

(3)失業率

2024年の失業率の見通しは4.0%と前回から変更がなかったものの、2025年は4.2%(前回4.1%)、2026年は4.1%(前回4.0%)、長期見通しでも4.2%(前回4.1%)とそれぞれ0.1ポイント上方修正されている。

(4)経済成長率

経済成長率の見通しについては、前回見通しからの変更はなく、2024年は2.1%となっている。

(注)通常FF金利は0.25ポイントの幅で利上げ・利下げが発表される。

(加藤翔一)

(米国)

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