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中銀が政策金利を引き下げ、10.75%に(メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月13日 11時50分

8月8日のメキシコ中央銀行金融政策決定会合において、銀行間翌日物金利の誘導水準(政策金利)を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ、10.75%とすることが決定された。

引き下げの実行については、5人の政策委員の全会一致ではなく、3人が0.25ポイントの利下げを、2人が据え置きを主張した。以前から国際金融市場の不安定、地政学的緊張の悪化などが新興国メキシコ通貨ペソにとっては短期投資の引き揚げ要因となり、ペソ安が進んでいた。シティバナメックス銀行(Citibanamex)が8月5日付で発表したアンケートによれば、アナリスト33人のうち18人が、8月ではなく9月の金融政策決定会合での金利引き下げとなるとみていた(2024年8月9日記事参照)。

引き下げの決定要因として中銀は、通貨ペソは下落しているものの、中期債を中心に利回りが低下傾向にあること、総合インフレ率の上昇傾向は主に非コア(注)に由来するもので、コアについては18カ月連続で低下していること、生産活動の低下傾向がみられることなどを挙げている。非コアの上昇は短期的には、例えば水不足による果物・野菜価格の高騰などが代表例だ。こうした要因はやがて解消するほか、国際金融市場のショックも徐々に薄れていくと判断された。

利下げ実行への反応はさまざま

シティバナメックスのアナリストの中には、「決定は正しかったと考えるが、コア・インフレ率の良好な低下傾向に重きを置くのであれば、(相対的にペソが高かった)5月、6月の時点で利下げしてもよかったのではないか」と、利下げの実行時期に疑問を呈する者もいる。ブラックロック・メキシコの資産投資部門長は、「今後の指標次第ではあるが、中銀は利下げサイクルへの扉を開いた」としている。ゴールドマンサックスのラテンアメリカアナリストは、「次回会合での利下げも示唆されており、年内に25ベーシスポイントの利下げが3回行われる」との見方を示している(8月9日付「エル・フィナンシエロ」誌)。

(注)天候などによる価格変動が大きい農産品やエネルギー価格、政府が決定する公共料金価格などの指数。

(中島伸浩)

(メキシコ)

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