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中国人民銀行、預金準備率引き下げなど3つの金融政策を発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月2日 0時10分

国務院新聞弁公室は9月24日、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝行長による「質の高い経済発展に向けた金融支援に関する解説」とした記者会見を開催し、次の3点の金融政策を発表した。

(1)預金準備率と政策金利の引き下げ

預金準備率を0.50ポイント引き下げ(注1)、金融市場へ長期流動性約1兆元(約20兆円、1元=約20円)を供給する。また、2024年内に市場の流動性の状況を見つつ、さらに0.25~0.50ポイントの預金準備率引き下げを行う。政策金利に関しては、7日物リバースレポ金利を1.70%から1.50%に0.20ポイント引き下げ(注2)、市場へ流動性資金を誘導する。当該措置により、中期貸し出しファシリティー(MFL)は約0.30ポイントの引き下げが想定され、ローンプライムレート(LPR)や預金金利なども順次、0.20~0.25ポイントの引き下げが考えられる。

(2)住宅ローン金利の引き下げと住宅ローン頭金比率の調整

商業銀行での既存の住宅ローン金利を新規融資金利近くまで引き下げるよう誘導する。平均引き下げ幅は約0.5ポイントとなる見通し。また、1軒目と2軒目の住宅ローンの最低頭金比率を統一し、全国一律で2軒目の住宅ローンの最低頭金比率を現行の25%から15%に引き下げる(注3)。

(3)安定した株式市場の発展を支援するための新たな金融政策ツールの創設

金融機関の資金調達力と株式保有力の強化のため、適格な証券、ファンド、保険会社が資産担保を通じて中央銀行から流動性を獲得できるスワップファシリティーを創設する。また、株式買い戻しや株式保有増を目的としたリファイナンス、銀行が上場企業や主要株主への貸し出しを提供することを誘導する政策ツールを創設する。

中国共産党は金融政策の効果的な実施を要求

中国共産党は9月26日の中央政治局会議で、中国経済の基礎面と広大な市場、強靭(きょうじん)性や高い潜在力といった有利な条件は変わっていないとした一方で、現在の経済運営には新たな状況や問題も存在すると指摘した。総合的で客観的に、冷静に現在の経済状況を見つめ、困難に立ち向かい、経済・社会発展の年間目標や課題を達成するため、政策の効果的な実施、政策の段階的施行の増加、的を絞った効果的な政策措置のさらなる改善に努めるとし、その中で預金準備率と金利の引き下げの必要性を強調した。

(注1)中国人民銀行は9月27日に預金準備率の0.5ポイント引き下げを発表。中国人民銀行によると、金融機関の加重平均預金準備率は約7.0%から約6.6%となる。

(注2)中国人民銀行は9月27日に7日間リバースレポを1.7%から1.5%への引き下げを発表。前回は7月に1.8%から1.7%に0.1ポイント引き下げている(2024年7月24日記事参照)。

(注3)中国人民銀行は9月29日に「個人向け住宅ローンの最低頭金比率の緩和政策に関する通知」を発表し、1軒目と2軒目の住宅ローンの最低頭金比率を統一し、15%に引き下げるとした。全国統一の最低頭金比率に基づき、中国人民銀行の各省級支店と国家金融監督管理局の各傘下機関は、都市ごとに政策を実施するという原則と管轄都市政府の要求に従って、管轄都市の最低頭金比率を差別化する政策を設定するか否か判断の上、自主的に最低頭金比率の下限を決定することとしている。

(亀山達也)

(中国)

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