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日タイ官民自動車ビジネスフォーラムが開催、エネルギー・産業対話(EID)の早期開催に期待(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月22日 0時25分

日本の経済産業省、在タイ日本大使館、ジェトロ、タイ外務省、タイ投資委員会(BOI)などは1月15日、「日タイ官民自動車ビジネスフォーラム」をバンコクで開催し、約550人(うちオンライン270人)が参加、会場は立ち見が生じるほどの盛況ぶりだった。同フォーラムは、日タイ両国の政府が設立の準備を行っている「エネルギー・産業対話(EID)」に先がけて開催された。EIDは、日タイ官民対話を通じ、タイ側に日本の自動車政策や日系企業の取り組みを訴求しつつ、自動車産業を通じた両国の連帯醸成・強化を目的としている。

写真 フォトセッションの様子(ジェトロ撮影)

フォトセッションの様子(ジェトロ撮影)

オープニングセッションでは、登壇者らが日タイ連携の重要性を確認し、EIDの早期開催に期待を示した。武藤容治経済産業相はビデオメッセージで、「タイはASEAN域内最大の自動車生産国、輸出国としてリードしてきたが、そこには日本の自動車メーカーの存在があり、日系自動車メーカーがタイでの生産開始以来、長きにわたり築き上げてきた強固なサプライチェーンと信頼関係が両国の経済成長を支えてきた」と述べ、引き続き両国が発展し、自動車産業の未来を切り開くことに期待を示した。続いて、タイのマリット・サギアムポン外相はビデオメッセージで、二酸化炭素(CO2)排出量ゼロに向けた世界的な動きの中で自動車産業も新時代に入りつつあることに触れ、前例のない課題を伴うと同時にチャンスでもあることから、両国の協力を通じてクリーンエネルギーへの移行を成功させることが最重要だと述べ、EIDの早期開催を歓迎した。

写真 オープニングセッションでの武藤経済産業相(ジェトロ撮影)

オープニングセッションでの武藤経済産業相(ジェトロ撮影)

基調講演では、日本から松尾剛彦経済産業審議官、タイからナリット・タードサティーラックBOI長官が講演を行った。松尾経済産業審議官は「グリーントランスフォーメーション(GX)・デジタルトランスフォーメーション(DX)に対応した自動車産業政策」をテーマに電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、ハイブリッド車、バイオ燃料や合成燃料の活用など、多様な選択肢を通じて脱炭素化を実現していく、マルチパスウェイ戦略の追求が日本の自動車戦略であること、またタイにおける日系OEM(完成車メーカー)とタイ企業の先駆的な取り組みを紹介しつつ、共に未来を創造していくと意気込んだ。

写真 基調講演を行う松尾経済産業審議官(ジェトロ撮影)

基調講演を行う松尾経済産業審議官(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションでは、4つのテーマ(注)で、両国のステークホルダーによる活発な議論が行われた。テーマの1つの「アジアの自動車生産/輸出ハブとしてのタイ王国の強みと課題」では、「タイの自動車産業が拡大した背景として、国内需要を押し上げる政策の実施と、サプライヤーの能力向上が好循環を生んだ結果、強固なサプライチェーンとなった」点が挙げられた。また、タイが自動車生産・輸出ハブをさらに発展させる方策は、強固なサプライチェーンを活用し、製造側のGXが必要としつつ、「世界の内燃機関(ICE)部品を集約的に生産・輸出する国となる」ことも、一案として示唆された。今後の官民で取り組むべきこととして、輸入品の増加に対応して現在の自由貿易協定(FTA)がタイにとって適切なのかを再検討することや、少子高齢化も見据えた高度人材の開発、デジタル基盤の構築なども挙げられた。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(注)4つのテーマは、(1)アジアの自動車生産/輸出ハブとしてのタイ王国の強みと課題、(2)自動車のサプライチェーンの現況と今後の展望、(3)サーキュラーエコノミーとエコシステム、(4)水素・e-fuel・バイオ燃料などのポテンシャル。

(宮越朗、藤田豊、ピンラウィー・シリサップ)

(タイ)

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