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中国外交部、台湾への武器売却を理由に米国企業と同社役員に制裁(中国、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月28日 0時35分

添付資料PDFファイル(151 KB)

中国外交部は6月21日、「反外国制裁法」(2021年6月14記事参照)に基づき、米国のロッキード・マーティン幹部およびその子会社に対して制裁を実施すると発表した。6月18日に米国防総省が、台湾に対して総額約3億ドルの無人航空機などを売却する計画を発表したことを受けた措置となる。制裁は即日発効した。

制裁の対象となったのは、ロッキード・マーティン子会社のMSIL(ミサイル・システムインテグレーション・ラボ)、ATL(アドバンスド・テクノロジー・ラボラトリーズ)、ロッキード・マーティン・ベンチャーズの3社とロッキード・マーティンの代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)のジェームズ・タイクレット氏、COOのフランク・セントジョン氏、CFOのジェズス・マラベ氏の3人。制裁内容としては、中国内の動産、不動産およびその他の各種財産を凍結する。また、上記3人に対しては、上記の措置に加えて中国内の組織・個人と取引・協力などの活動を行うことを禁じるほか、査証を発給せず、入境を許可しないとした。

外交部の林剣報道官は6月20日の記者会見で、米国による台湾への武器売却は「一つの中国」原則と、3つの共同コミュニケ、特に「817共同コミュニケ」(注1)に違反し、中国の主権と安全の利益を害し、中米関係および台湾海峡の平和と安定を大きく損なったと批判し、断固として反対すると表明した。

中国外交部は2024年に入って、「反外国制裁法」に基づき、米国企業と個人に対して制裁を行うと数回発表している(注2)。直近では、5月22日に、米国がロシア支援に関与しているとして複数の中国企業に対して一方的に制裁を科していること(2024年5月2日記事参照)と、台湾への継続的な武器売却を理由に、米国企業12社と関連企業の幹部10人に対して制裁を実施すると発表した(添付資料表参照)。

また、商務部は5月20日、「信頼できないエンティティー・リスト」にボーイング・ディフェンスとスペース&セキュリティを掲載すると発表した。両社に対しては、(1)中国と関係する輸出入活動の禁止、(2)中国内での新たな投資の禁止、(3)上級管理職の入境禁止、(4)上級管理職の中国での就業許可、滞在・居留資格の不許可・取り消し、(5)「信頼できないエンティティー・リスト規定」施行以降に台湾と契約した武器売却金額の2倍の罰金の賦課という5つの措置を取るとした。

(注1)1972年、1978年、1982年に発表された中国と米国間の3つのコミュニケを指す。「817共同コミュニケ」は1982年に発表されたもので、台湾への武器売却に関する内容が含まれている。

(注2)2024年1月には米国の情報データ会社や兵器関連会社、4月には無人航空機や戦車などを扱う米国企業2社に対し、「反外国制裁法」に基づき制裁を科すと発表した(2024年1月5日記事2024年1月15日記事2024年4月19日記事参照)。

(張敏)

(中国、米国)

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