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外国人観光客数と収益は増加も平均滞在日数は減少(ギリシャ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月2日 0時0分

ギリシャ観光連盟(SETE)が8月に発表した統計データによると、2023年にギリシャを訪れた外国人観光客は前年比で15.2%増加し、最終的に3,613万6,000人に達した(2024年4月3日記事参照)。観光収益は14.4%増の197億4,600万ユーロとなった。

外国人観光客の宿泊日数は合計で2億2,793万8,000日となり、前年比5.1%増とわずかながら増加した。平均滞在日数を地域別にみると、最も長いのが北エーゲ海地域で9.8泊、最も短いのがイピロス地域の2.5泊で、それぞれ前年比10.2%減、14.0%減となった。クレタ島とイオニア諸島以外はすべての地域で前年から減少した。

旅行客1人当たりの支出額は、平均546ユーロとなり、前年の550ユーロから0.7%減となった。これは、1泊当たりの平均支出額が前年比8.9%増(80ユーロから87ユーロに)となったものの、平均滞在日数が8.8%減少(6.9泊から6.3泊)したこと、またアッティカ地域やイピロス地域のように支出額が低い地域に観光需要がシフトした影響とみられる。1泊当たりの支出額が最も高かったのはクレタ地域で113ユーロ(前年比29.7%増)だった。一方、最も低かったのは中央マケドニア地域で47ユーロ(5.4%増)となった。

2023年の観光収益源を国別でみると、ドイツ、英国、フランス、米国、イタリアの順で大きく、これらの国がギリシャの観光業にとって重要市場となっている。特にドイツと英国の2カ国だけで外国人観光客数、宿泊日数、観光収益全体の約3割を占め、特に重要な市場だ。

2023年のギリシャのGDPに占める観光業のシェアは13.0%で、引き続きギリシャ経済の主要産業だ。しかし、今後のさらなる観光業の発展について、オルガ・ケファロヤニ観光相は、特定の時期に多くの観光客が集中することが一部の観光地に負担をかけていることなどの課題を指摘。「観光がもたらすプラスの影響と、環境や文化遺産、地域社会のアイデンティティーの保護とバランスを取るべき重要な時期に来ている」と述べた。

(井上友里)

(ギリシャ)

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