米NY州、マンハッタン中心部通行料徴収プログラム開始、2025年1月5日から(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月10日 0時45分
米国ニューヨーク(NY)州のキャシー・ホークル知事(民主党)は11月14日、通行料徴収プログラム(Congestion Pricing)の導入を発表した。2025年1月5日からNY市マンハッタン区の60丁目以南の中心部(CBD)を通行する車両に次の料金が課される(注)。ただし、通行料以外の罰金などの追加料金は、導入から60日間は課されないこととなっている。ピーク時は平日午前5時~午後9時と、週末午前9時~午後9時とし、それ以外はオフピーク料金を適用する。概要は次のとおり。
一般乗用車:ピーク時9ドル、オフピーク時2.25ドル
オートバイ:ピーク時4.50ドル、オフピーク時1.05ドル
トラック、バス:ピーク時14.40~21.60ドル、オフピーク時3.60~5.40ドル
このプログラムは以前、最低15ドルの基本料金で6月30日から導入する予定で進められていたが、ホークル知事が6月5日に、NY州の首都圏交通局(MTA)に対し、労働階級と中流家庭の市民にさらなる負担をかけるのを避けるため、導入を「無期限で一時中止」するよう指示していた(2024年6月10日記事参照)。
だがNY州は、通行料の徴収はMTAへの150億ドルの投資につながり、空気の質も改善すると説明した。発表ではまた、ホークル知事が、自動車に代わる交通手段を増やすために、MTAに対し少なくとも市内23本のバス路線の運行本数の増加、運行時間の調整などの改善を行うよう提案していることを明かした。
再開が決まった通行料徴収プログラムだが、反対意見も根強い。当初から反対を表明していたNY州に隣接しているニュージャージー州選出のジョシュ・ゴットハイマー連邦下院議員(民主党)は11月14日、自身のウェブサイトで声明文を発表し、「このインフレの時代にNYが再度、9ドルの新しい税金をニュージャージーの家庭に課そうとしているのをわれわれは黙って見ているわけにはいかない。これは、まじめに働く通勤者に何千ドルもの負担を強いることになる」と述べた。
(注)60丁目以南でも、高速道路(ウエストサイド・ハイウェイ、FDRドライブ、バッテリーパーク地下道)は除く。
(吉田奈津絵)
(米国)
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