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日米「2+2」とクアッド外相会合を東京で開催、経済・技術協力の推進を再確認(米国、日本、オーストラリア、インド、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月30日 11時35分

米国国務省は7月28日、日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)の共同声明を発表日本語)した。翌7月29日には、クアッド外相会合の共同声明を発表日本語)した。いずれの会合も東京で開催された。アントニー・ブリンケン国務長官は7月25日~8月3日にかけて、日本や東南アジアなどを訪問している(注)。

日米2+2には、米国側からはブリンケン長官とロイド・オースティン国防長官が、日本側からは上川陽子外相と木原稔防衛相が参加した。共同声明では、米国側から、在日米軍をインド太平洋軍司令官隷下の統合軍司令部として再構成するとの意図が示された。中国に関しては、「政治的、経済的および軍事的な威圧を用いている」「技術の転用を通じて軍事上の現代化を促進している」と指摘し、インド太平洋のみならず、それを超えた広範な地域における「最大の戦略的挑戦」だと評した。米国は軍事転用され得る技術の流出防止のため、近年、輸出管理を強化している(2024年5月10日記事2024年7月29日記事参照)。また、イノベーションの促進、産業基盤の強化、強靭(きょうじん)で信頼性のあるサプライチェーン構築などのため、日米両国における経済・技術面での協力をあらためて確認したほか、協力を通じて技術的優位性を維持し、経済的依存関係の武器化に対抗するための経済安全保障の取り組みで協力していると明記した。

なお、ブリンケン長官とオースティン長官は7月29日に、日本の岸田文雄首相と面会した。国務省の発表によると、3者は、岸田首相が4月に訪米(2024年4月11日記事参照)した際に交わした防衛上の約束の進展について協議した。また、インド太平洋地域における安全と繁栄の礎石としての日米同盟を、引き続き推進することを約束した。

クアッド外相会合には、ブリンケン長官、上川外相のほか、オーストラリアのペニー・ウォン外相、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相が参加した。共同声明では、インド太平洋地域の持続可能な開発、安定および繁栄を支援するため、重要・新興技術、サイバーセキュリティー、気候変動などでの協力をあらためて確認した。また、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を通じたASEANとの協力を強化するとも記載した(2019年7月12日記事2022年9月22日記事参照)。そのほか、信頼され安全で強靱な電気通信ネットワークの発展の重要性を説き、サプライヤーの多様化、オープン無線アクセスネットワーク(RAN)の推進などを確認した。なお、次回のクアッド首脳会合は2024年後半にインドで、外相会合は2025年に米国で開催予定となっている。

(注)ブリンケン長官は7月27日に、訪問したラオスで、中国の王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)と会談している(2024年7月30日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国、日本、オーストラリア、インド、中国)

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