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香港政府、たばこ規制を強化、電子たばこの所持禁止も検討(香港)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月18日 0時25分

香港特別行政区(以下、香港)政府は6月6日、複数のたばこ規制措置を検討していく方針を打ち出した。短期的には、罰金の引き上げなど10項目に及ぶたばこ規制措置を導入するほか、中長期的には、禁煙範囲の拡大なども検討する。検討されている主要な短期政策は次のとおり。

1. 電子たばこなどのたばこ代替品(注1)の所持(個人使用を含む)を禁止する。
2. メンソールたばこ、キャンディーやフルーツ風味などの味付きたばこを禁止する。
3. たばこのパッケージ(銘柄、商品名を含む)のデザインを簡易的なデザインに統一することを義務付ける。
4. 公共交通機関や指定された公共施設(注2)の列に並ぶ間の喫煙を禁止する。
5. 禁煙範囲を保育所、学校、介護施設、公共医療施設などの指定された公共施設の出入り口にまで拡大する。

上記に加え、香港政府は、法執行の実効性を高めるため、印紙税を導入し、課税たばこと無税たばこの違いを明確化する予定で現在調査中だ。加えて、課税対象商品条例(注3)を改正し、たばこ税を下回る低価格で販売されているたばこ製品については、税金支払い済みの証明を義務付ける予定だ。

また、税金未払いのたばこの違法取引、所持、販売、購入に対する罰則を強化する。現行の罰金100万香港ドル(約2,000万円、1香港ドル=約20円)または禁錮2年から、罰金200万香港ドルまたは禁錮7年へ引き上げる。さらに、香港政府は、課税対象商品条例に違反した場合の示談金を増額し、課税対象商品条例違反を、組織的かつ重大な犯罪条例に含める。これにより、税関は不正たばこに関連する不正な収益の凍結を申請することが可能となる。

中期的な対策としては、小売店に対し、たばこ商品を顧客の目の届かないところに置くことや販売制限を順守することを義務付け、喫煙者に対しては歩きたばこを禁止する方向で検討する。

卸売業および小売業界の立法会議員の邵家輝氏は、政府によるたばこ代替品やメンソールたばこの禁止が、観光客やビジネス客の香港への訪問マインドにマイナスの影響を与えることに懸念を示した(「信報」6月7日)。

(注1)電子たばこ、加熱式たばこ、ハーブたばこなどを指す。

(注2)公共医療施設、公園、テーマパーク、公的娯楽施設などを指す。

(注3)当該条例は、たばこ1,000本、葉巻、中国産調製たばこ、およびたばこ製造用原料を除くその他すべての調製たばこ1キロあたりに対する課税額を指定している。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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