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2024年第3四半期の実質GDP成長率は2.1%に減速(トルコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月4日 0時55分

トルコ統計機構(TUIK)の発表(11月29日付)によると、2024年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は前年同期比2.1%と、市場予測(2.6%)(11月29日付ロイター)を下回る鈍化を見せた。なお、季節・日数調整後の成長率(前期比、年率換算)では、2期連続で0.2%のマイナス成長となった。

第3四半期の成長率を支出項目別にみると、GDPの最大項目の家計最終消費支出が、前期(注)の前年同期比1.5%増から3.1%増へ伸び、成長を牽引した。消費者物価指数(CPI)上昇率は、5月の75.45%をピークに10月には48.58%まで抑制が進んだが、政府目標を上回っている。このため、家計がインフレの進行を見越して前倒しで商品を購入するという消費傾向が続き、内需は堅調だった。他方、政府支出は0.9%減だった。民間投資を含む総固定資本形成は、政策金利が3月以来50%に据え置かれていることもあり、前期(0.8%増)から0.8%減のマイナス成長となった。輸出は0.8%増にとどまったが、輸入が9.6%減と縮小し、純輸出はプラスに寄与している。

部門別にみると、高金利が重しとなり、工業部門が前年同期比2.2%減のマイナス成長となった。同様に、サービス部門も1.4%増と減速している。他方、建設が9.2%増、金融・保険業が6.2%増と前期を上回る好調だった。

メフメット・シムシェキ国庫・財務相は、第3四半期のGDPが2.1%増となったことで、2024年の第3四半期までの成長率が3.2%となり、国民所得は1兆2,600億ドルに達したと強調した。また同相は、持続的な高成長に必要なリバランスは達成されたとし、第3四半期までの成長に内需が1.3ポイント、純外需が1.9ポイント寄与したと評価した(1130日付GAZETECIN)。

さらに同相は、政府がインフレ抑制、財政規律の強化、経常収支の改善、外貨準備高の積み上げなどで成果をあげていることで、大手信用格付け会社3社がトルコの信用格付けを2段階引き上げたとし、今後も「社会のあらゆる階層の福祉を考慮し、持続可能で高度かつ包括的な成長に向けて努力し続ける」と述べた。

(注)TUIKは第2四半期(4〜6月)のGDP成長率を改定し、2.5%から2.4%に下方修正した。

(中島敏博)

(トルコ)

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