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米ロケットラボ、日本のシンスペクティブの衛星10機打ち上げ契約締結(米国、日本、ニュージーランド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月27日 0時15分

米国のロケット打ち上げ企業のロケットラボ(本社:カリフォルニア州ロングビーチ)は6月18日、日本の小型人工衛星の開発・運用・データ販売と解析などを行うシンスペクティブと10機の衛星打ち上げに関する契約を締結したと発表した。本契約は、ビジネス代表団を率いて来日していた、ニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相が出席した東京のイベントで締結された。

シンスペクティブは、小型合成開口レーダー(SAR)衛星(注1)の開発・運用ならびにデータの販売と解析などを提供する企業で、2018年に創業され、2023年にJ-Startup(注2)に認定された。本契約をもって、2025~2027年に打ち上げられる予定のシンスペクティブの衛星「ストリクス(StriX)」10機は、ロケットラボのエレクトロン・ロケットで打ち上げられる。

ロケットラボの創設者兼最高経営責任者(CEO)のピーター・ベック氏は、本契約について、これまでにシンスペクティブの衛星を4回打ち上げていること、本件とは別に2件の打ち上げ契約をシンスペクティブと結んでいることに言及した上で、「衛星10機の打ち上げは、ロケットラボにとって最大規模の打ち上げ合意となる」とした。また、日本の宇宙産業が急速に成長していることに触れ、米国のロケットがニュージーランドの発射場から発射されるというユニークな協働を通じ、この成長を実現できることをうれしく思う、と述べた。

シンスペクティブの新井元行代表取締役CEOは、ロケットラボとの協働により強固な基盤を得られたことで、同社の自信を深める合意となったとして、本契約の合意を歓迎した。

ラクソン首相は同契約について、宇宙産業においてニュージーランドの地位が急速に高まっているとし、同氏の首相としての初めての日本訪問中に、本契約の署名に立ち会えたことを歓迎した。

本契約の2日後となる6月20日、シンスペクティブは新たにシリーズCラウンド(注3)を通じて70億円を調達したことを発表した。また、続く21日には、ロケットラボがエレクトロン・ロケットの50回目の打ち上げに成功と発表しており、これら企業の今後の動向が注目される。

(注1)マイクロ波を地表に照射し、その反射から地形などの情報を取得する。従来の人工衛星と比較して、天候や時間などに左右されない利点がある。

(注2)日本のイノベーション政策の一環として、2018年に経済産業省主導で立ち上げたスタートアップ企業の育成支援プログラム。経済産業省、ジェトロ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が事務局を務めている。詳しくは、J-Startupオフィシャルサイト参照。

(注3)投資家が企業に投資する段階で、シードステージから今後の成長が見込まれる段階の最初の本格的投資ラウンドを「シリーズA」とし、追加出資の都度「B」「C」とアルファベット順で表現される。

(谷本皓哉)

(米国、日本、ニュージーランド)

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