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景況感は鈍化も現地市場拡大に期待感、アジア・オセアニア日系企業調査(中国、香港、マカオ、台湾、韓国、ASEAN、ベトナム、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、カンボジア、フィリピン、ラオス、インド、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2023年11月29日 10時0分

ジェトロは11月28日、「2023年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」を発表した。本調査は、8月21日から9月20日にかけてアジア・オセアニア地域(20カ国・地域)に拠点を構える日系企業1万4,018社を対象にオンライン配布・回収を行ったもので、4,982社から有効回答を得た(有効回答率35.5%)。

調査結果によると、2023年の営業利益で黒字企業の割合は62.4%と、前年調査(65.6%)から低下した。2023年の景況感を示すDI値(注)は0.3ポイントと、直近10年で新型コロナ禍の2020年に次いで低かった。北東アジアでは軒並みマイナスとなり、ASEANでもシンガポールやベトナムなどでマイナスに転じた。一方、インド(44.4ポイント)は現地市場の需要増加に伴い、好調を維持した。

2024年のDI値は30.8ポイントに回復する見込みだ。営業利益見通しが「改善する」見通しと答えた企業のうち、過半数が「現地市場での需要増加」を理由として挙げた(複数回答)。

今後1~2年の事業展開の方向性について、「拡大」と回答した企業の割合は45.5%と前年調査から小幅に上昇した。「拡大」と回答した企業の割合はインドが75.6%と最も高く、ラオス、バングラデシュ、ベトナム、韓国、台湾、マレーシアで5割を超えた。一方、中国では「拡大」の割合が27.7%で、非製造業を含めて実施した2007年度調査以降で過去最低となった。

専門職やマネージャークラスで人材不足の深刻度高く

人材の雇用状況に関しては、「人材不足の課題に直面している」と回答した企業の割合が47.9%と約半数を占めた。特にニュージーランド、台湾、マレーシア、韓国、ラオスなどで、人材不足に直面していると回答した企業の割合が高かった。

人材不足の深刻度合いを職種別に尋ねたところ、専門職種(法務、経理、エンジニアなど専門技能を必要とする職種)およびマネージャーなどの一般管理職で、「とても深刻」または「やや深刻」と回答した企業の割合が7割前後と特に高かった。次いで、プログラマーなどのIT人材(58.2%)も不足感が目立った。

タイの輸送機器・部品、競争相手として中国企業がトップに

現地の競争環境も変わりつつある。進出先における競争相手を尋ねたところ、地場企業(67.7%)および日本企業(62.3%)と回答した企業の割合が総じて高かった。地場企業を挙げた割合は中国(89.5%)で最も高く、次いで韓国(84.8%)、台湾(78.1%)と北東アジアで高かった。ASEANでは日本企業を挙げた割合が最も高かったが、とりわけ製造業では中国企業を挙げた割合が45.7%と全体平均(27.2%)を大幅に上回った。中国の電気自動車(EV)企業の進出が加速するタイでは、輸送機器・部品において中国企業(69.8%)が日本企業(65.1%)を上回った。なお、南西アジアでは欧州企業の割合が3割前後と相対的に高かった。

本調査では、営業利益見通し、今後の事業展開、現地調達・輸出、投資環境、脱炭素・人権への対応、人材の雇用状況、製造業の自動化、現地市場開拓、賃金実態を紹介している。詳細は調査レポートを参照されたい。

(注)DI値とは、Diffusion Indexの略で、「改善」すると回答した企業の割合から「悪化」すると回答した企業の割合を差し引いた数値。景況感がどのように変化していくかを数値で示す指標。

(山口あづ希)

(中国、香港、マカオ、台湾、韓国、ASEAN、ベトナム、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、カンボジア、フィリピン、ラオス、インド、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランド)

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