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国境の移動円滑化など、ジョホール特区設置に向けシンガポール経済界が提言(シンガポール、マレーシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月23日 1時35分

シンガポール最大の経済団体の経済連盟(SBF)は7月11日、マレーシア南部ジョホール州に設置予定の「ジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)」について、国内のビジネス界の意見をまとめた提言書を発表した。シンガポールと国境を接するジョホール州とシンガポール間の貨物や人の移動、投資手続きの円滑化などを提言した。両国政府は9月に予定されている首脳会議で、同特区設置の最終合意する見通しだ。

両国は2024年1月、JS-SEZの共同開発に関する覚書(MOU)を締結した(2024年1月15日記事参照)。SBFは翌2月にJS-SEZシンガポール・ビジネス作業グループ(SBWG)を設置し、約160ものシンガポールに拠点を置く企業や業界団体から同特区に関する意見を収集し、今回の提言書「ともに発展を。2つの経済、1つのエコシステム」をまとめた。同提言は、(1)人材確保、(2)人々の国境を越えた移動、(3)陸上貨物の輸送、(4)投資環境の改善の4分野で約30の提言からなる。

ジョホール州とシンガポールとの間は2つの橋で結ばれ、越境通勤・通学者や旅行客、陸上輸送車など、毎日約30万人と14万5,000台の車両が行き来し、混雑が深刻化している。SBWGの調査によると、シンガポールのビジネス関係者の55%が陸上貨物の輸送に関する課題として、「関税制度(不明瞭な制度や税分類)」を挙げた。また、48%が「貨物通関手続き(一貫性のない規則の適用、長い待ち時間)」を課題とみている。SBWGはこうした課題解消のため、QRコードなどテクノロジーを導入した貨物通関手続きの効率化とともに、両国間の税金と関税制度の一体化を提言した。

シンガポール~クアラルンプール首都間高速鉄道の復活提言も

また、SBWGは両国間の人々の移動について、バイオメトリクス認証やQRコードなどによる自動化レーン設置など出入国審査の効率化を提案した。このほか、SBWGは、マレーシアの首都クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道(HSR)プロジェクトの再開も提言した。両国は2021年1月、HSRプロジェクトを中止していた(2021年1月5日記事参照)。一方で、マレーシア政府は同プロジェクトの再開に向けて動き出しており、同国政府傘下のHSR開発会社MYHSRが2024年1月、7企業連合(合計31社)から事業案を受け付けていた。

(本田智津絵)

(シンガポール、マレーシア)

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