米商務省、半導体ポリシリコン製造のHSCへの助成金確定(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月14日 0時30分
米国商務省は1月7日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、半導体用ポリシリコン製造のヘムロック・セミコンダクター(HSC)に対する最大3億2,500万ドルの助成が確定したと発表した。同省は、2024年10月21日に同社とこの助成金についての予備的覚書(PMT)に署名しており(2024年10月25日記事参照)、同省によるデューディリジェンスの完了後に助成金が提供される見込みだ。
商務省の発表によると、HSCは、超高純度ポリシリコンを製造する唯一の米国企業であり、最先端の半導体市場に供給できる純度のポリシリコンを製造する、世界でも5社しかない企業の1つだ。今回の助成金は、ミシガン州ヘムロックのHSCの既存キャンパス内に、超高純度ポリシリコンの生産および精製を行うための新たな製造施設の建設を支援するもので、製造部門で約180人、建設部門で1,000人以上の雇用創出が見込まれている。
今回の発表に際し、商務省のジーナ・レモンド長官は「HSCへの投資は、半導体の基盤となるポリシリコンの国内での安定供給を確保することで、サプライチェーンの強化に貢献するだろう」と述べた。
また、米国半導体工業会(SIA)のジョン・ヌーファー会長は、HSCへの助成について「超高純度ポリシリコンは、米国の経済力や国家安全保障、人工知能(AI)、自動運転、通信、その他多くの重要な技術におけるリーダーシップを支える先進的な半導体の製造に不可欠だ」とし、「この素材の生産は半導体生産工程の第一歩であり、この分野における国内での生産能力を米国が確保することは極めて重要だ」と述べている。
バイデン政権は、政権交代(1月20日)を前に、CHIPSプラス法に基づく企業への助成確定を急いでおり、PMTを締結した企業に対する助成確定の発表が相次いでいる。直近では1月3日にセミコンダクター・リサーチ・コーポレーションへの助成確定が発表されている(2025年1月9日記事参照)。
(星野香織)
(米国)
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