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ブラジル産業界、EU・メルコスールFTA最終合意で輸出増に期待(ブラジル、メルコスール、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月19日 0時50分

ブラジル産業界は12月6日、EU・メルコスール間の自由貿易協定(FTA)交渉が最終合意に至ったこと(2024年12月10日記事参照)を受けて、一斉にコメントを発表した。

全国工業連盟(CNI)は公式リリースで「FTAが発効すれば、EUへのブラジル産輸出工業品の約97%の関税がゼロになる。EUは競争が激しい市場で、1人当たりGDPが4万800ドルに達するため、このFTAはブラジル工業界にとって高付加価値製品の輸出増加につながる可能性がある。グローバルバリューチェーンでのブラジルの立場強化や、輸出ポートフォリオの多様化も期待できる」と述べた。

ブラジル機械工業会(ABIMAQ)のジョゼ・ベローゾ会長も現地紙「エスタード」(12月6日付)のインタビューで、FTAの合意を歓迎し、ブラジル産機械の輸出増加への期待を示した。一方で、EU産品がブラジル向けに輸入される際には注意が必要だと強調した。「EU産品には、中国産やインド産の部品が含まれることが多いが、(FTAを利用して)EU産品としてブラジルに輸入されるものは、アジア産ではなく、EU産でなければならない。原産地規則の厳守が今後の懸念点だ」とベローゾ会長は述べた。

全国農業連合(CNA)のスエメ・モリ国際関係局長は、ブラジルの農業界情報番組「アグロマイス」のインタビューで、「今回の交渉で合意された関税引き下げや関税割当付与により、ブラジル産農産物のEU市場へのアクセスが拡大するだろう。また、ブラジルは多数のコモディティーで世界最大の生産地の一方、農業機械や化学産業が生産する農業資材の大きな市場でもあるため、EU工業界にとっても(EU・メルコスールFTAの)利点が多い」と述べた。

ブラジル牛肉輸出業協会(ABIEC)とブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)も、それぞれの公式サイトで、FTAの合意を評価した。ABPAのリカルド・サンティン会長は、鶏肉や豚肉などで関税割当(注1)が導入されるため、「EU市場への輸出機会が増加するだろう。既存の割当は継続され、新たな割当も付与される予定のため(注2)、ブラジル製品に配分される割当量は特に大きくなると考えられる」と述べている。

(注1)FTA発効によって、メルコスール加盟国で新たに共有されるEU向け鶏肉輸出の関税割当枠は、骨付き鶏肉9万トン、骨なし鶏肉が9万トン。協定発効から6年目までに段階的に9万トンまで拡大される。初年度は1万5,000トン、2年目は3万トンで、6年目に9万トンとなる予定だ。6年目以降の割当枠は年間9万トンが維持される。豚肉についても、鶏肉と同様に、6年間で段階的に割当枠が増加し、6年目以降は2万5,000トンの割当枠となる。1トン当たりの関税は83ユーロ。

(注2)ブラジルは現在、EU向け鶏肉輸出で年間17万807トンを上限に、15.4%の低関税が賦課されている。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、メルコスール、EU)

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