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アグリテック分野の産業集積の形成へ、ジェトロと深谷市などが海外スタートアップを招聘(埼玉、米国、シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月17日 10時20分

ジェトロは2024121619日、深谷市などと連携し、埼玉県内のアグリテック分野での地域産業活性化や外資誘致を目的として、海外企業4社・団体を招聘(しょうへい)した。今回招聘したのは、日本での事業展開に関心を持つ米国のTrue Algae(トゥルー アレジー)とClearLeaf(クリアリーフ)、シンガポールのPullulo(プルーロ)のアグリテックスタートアップ3社と、米国の非営利団体Grand Farm(グランド・ファーム、注)。

これら企業・団体は、深谷市および、さいたま市においてイベントに参加し、深谷市内に拠点を置くスタートアップやアグリテック支援機関の視察なども行った。1217日に、さいたま市で開催した海外スタートアップピッチ・交流会には、県内外のアグリテック関連企業や商社、投資家など約50人が出席し、ピッチに参加した招聘企業と交流を深めた。また、参加企業のうち12社と招聘企業の個別商談を延べ19件実施した。

深谷市は「アグリテック集積戦略DEEP VALLEY(ディープバレー)」のもと、高齢化による担い手不足をはじめとした日本の農業課題に対し、アグリテックの力で解決を図っている。同市は、国内外スタートアップへの実証農地の提供や協力農家の紹介など行うほか、20246月以降、グランド・ファームとの連携(2024年6月24日記事参照)を機に外資誘致活動を加速し、エコシステムの形成を推進する。

写真 さいたま市で実施したピッチ・交流会の様子(ジェトロ撮影)

さいたま市で実施したピッチ・交流会の様子(ジェトロ撮影)

写真 深谷市に拠点を置くスタートアップの実証用農地視察の様子(ジェトロ撮影)

深谷市に拠点を置くスタートアップの実証用農地視察の様子(ジェトロ撮影)

1218日には、深谷市でアグリテック分野のビジネスコンテストの授賞式「ディープバレーアグリテックアワード」が開催された。最優秀賞および2024年度新設したグランド・ファーム賞に、日本のスタートアップのEFポリマーが選ばれた。また、招聘企業のトゥルー アレジーはアワードのファイナリストに選出された。同社は、微細藻類の生み出すメタボライト(代謝物)を豊富に含む独自の土壌微生物活性剤や、鶏の腸内環境改善に貢献する資材の研究開発・事業を展開。日本市場に2023年から参入し、深谷市での実証実験を通じ日本企業とのさらなる協業を目指す。

招聘企業からは、「自治体の積極的なスタートアップ支援の姿勢、日本市場の可能性、関連企業とのつながりなど、一度に多くのことを知ることができた」「今後、協業や進出に向け、ぜひ企業や自治体とのコミュニケーションを深めながら、深谷市で実証実験を進めたい」との声があがった。

写真 (左から)プルーロ、グランド・ファーム、クリアリーフ、トゥルー アレジーの代表者(ジェトロ撮影)

(左から)プルーロ、グランド・ファーム、クリアリーフ、トゥルー アレジーの代表者(ジェトロ撮影)

深谷市産業振興部産業ブランド推進室の福嶋隆宏室長補佐は「産業集積の形成のため、国内外企業が広く利用できる環境づくりを、サービス提供といったソフトの面に加えて、施設などのハード面でも推進していく」と今後への抱負を述べた。

(注)グランド・ファームは、米国ノースダコタ州で国内外のアグリテック企業・大学・研究機関や最新技術に関心のある生産者と連携して、アグリテック・エコシステムを構築する。

(浅見早映、豊田裕子)

(埼玉、米国、シンガポール)

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