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政策金利、1年11カ月ぶりに5%台に引き下げ(ペルー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月24日 10時0分

ペルー中央準備銀行(BCR)は5月9日、金融政策決定会合で政策金利を現行の6.00%から5.75%に引き下げると発表した。5%台になるのは2022年6月以来の1年11カ月ぶりだ。BCRは今回の決定について、次の点を考慮したと説明している。概要は次のとおり。

(1)4月のインフレ率はマイナス0.05%で、食料とエネルギーコストを除くと、0.11%となっている。背景には、3月まで高騰していた一部の食品(注)の生産と供給が安定したことがある。直近12カ月間の累計インフレ率は、2024年3月の3.00%から4月には2.40%に低下しており、政府目標値(1~3%)内に収まっている。同様に、食料とエネルギーコストを除いた12カ月間累計インフレ率も、2024年3月の3.10%から4月には3.00%に低下している。

(2)2022年第2四半期(4~6月)から2023年末にかけて見られた世界的なインフレ率の顕著な低下の後、ここ数カ月間の12カ月累計インフレ率にはわずかな上昇が見られるが、2024年内は段階的に低下していくと推測される。

(3)今後12カ月の累計インフレ率の見通しでは、4月も2.60%を維持しており、5カ月連続で政府目標値(1~3%)内に収まっている。

(4)12カ月間累計インフレ率は今後もしばらく低下傾向を続ける見通しで、数カ月後には政府目標値(1~3%)の中間地点に落ち着くと思われる。

(5)4月の経済評価速報値や見通しなどの多くの指標は、わずかに悲観的な景況感を示した。しかし、12カ月の長期見通しでは、楽観的な見通しが出ている。

(6)国際経済の成長見込みは、インフレ圧力からの脱却により緩やかに上昇傾向にあるが、先進国の金融緩和政策の不透明性による金融市場のボラティリティーや、国際紛争などの影響による燃料コストの上昇リスクの可能性が引き続き残されている。

BCR理事会では引き続きインフレ率やその見通しや経済動向などを注視しながら、必要に応じて、緩和的金融政策を維持しつつ、不安定な金融市場を下支えしていくとしている。次回のBCR金融政策決定会合は6月13日を予定している。

(注)夏季の気温上昇の影響による鶏の成長不足と卵の減産、海面温度がいまだ高いことによる一部の海産物の漁獲量の減少や、外食産業の価格高騰などによる影響。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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