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2024年の世界貿易量は2.7%増、アジアが牽引役、WTO予測(世界)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月15日 11時40分

添付資料PDFファイル(140 KB)

WTOは10月10日、世界貿易見通し(10月更新版)を発表し、2024年の世界の財貿易量(輸出入平均)を前年比2.7%増、2025年を3.0%増と予測した(添付資料表参照)。前回(2024年4月)から、2024年は0.1ポイントの上方修正、2025年は0.3ポイントの下方修正となった。

WTOのエコノミストは「2024年上半期の財貿易は前年同期比2.3%増とプラスに転じ、同年下半期から2025年にかけて緩やかな拡大が続く」と指摘する。インフレと高金利の影響によって打撃を受けた2023年(1.1%減)からの反動増も反映した。2024年はインフレ率が徐々に低下し、先進国・地域を中心に金利の引き下げ局面に入っていることから、消費や投資が刺激され、世界貿易の段階的な回復につながることが期待される。

2024年の輸出量の伸び(予測値)を地域別にみると、アジアが7.4%増と最も高かった。特に中国、シンガポール、韓国などが牽引した。中東(4.7%増)、中南米(4.6%増)が続き、それぞれ1.2ポイント、2.0ポイントの上方修正となった。対して、欧州は1.4%減と全地域で唯一マイナス成長、かつ前回予測から3.1ポイントの大幅な下方修正となった。欧州域内の自動車や化学品の輸出が低迷したことが影響した。アフリカ(2.5%増)、北米(2.1%増)はプラス成長を維持したものの、前回見通しからの下方修正が目立った。

WTOは、地政学的緊張の高まりを背景に、貿易の分断化の兆候が強まっていると指摘する。米中貿易摩擦を背景に、米国と中国間の貿易の停滞が顕著となっている。対して、米国、中国はいずれも、メキシコ、ベトナムとの貿易を拡大している。特にウクライナ紛争以降はその傾向が際立つ。

今後の見通しについては、依然として下振れリスクが強い。前回予測から継続して、地域的な紛争の拡大や、金融政策の多様化による金融市場の不安定化、地政学的緊張の高まりによるサプライチェーンの分断を挙げる。紛争の拡大に伴う世界的なエネルギーコストの高騰や、海上輸送の混乱といった間接的な影響も懸念される。他方、先進国・地域の経済が利下げによりインフレの再燃を抑えながら予想以上の成長を示した場合、限定的ではあるものの、上振れの可能性があると分析した。

(田中麻理)

(世界)

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