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風力由来の電力活用進む欧州、設備増加には許認可の迅速化が課題(EU、欧州)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月27日 1時10分

欧州風力協会(ウインド・ヨーロッパ)は1月10日、2024年の欧州の電力消費の20%(EUでは19%)が風力由来だったと発表した(プレスリリース)。

政府調達で落札された風力発電設備の容量は合計37ギガワット(GW、うちEUは29GW)と過去最大になった。さらに、風力由来の電力を調達する企業が増えており、2024年に新たに締結された電力購入契約(PPA)の契約量の50%を風力発電が占めた。再生可能エネルギー(再エネ)のPPA(合計12GW)のうち、風力のみは4GWだった。

しかし、欧州の新設設備容量は陸上(オンショア)が13GW、洋上(オフショア)が2.3GWで、合計約15GWにとどまった。そのうちEUは、陸上11.4GW、洋上1.4GWの合計約13GWだった。

EUの再エネ指令改正法は、2030年の最終エネルギー消費に占める再エネ比率目標を42.5%と定めた。ウインド・ヨーロッパは、目標達成には同年までに毎年約30GWの風力発電所の新設が必要と述べ、新設が進まない要因として、依然として許認可に長期間を要することを挙げた。同指令では、EU加盟国に許認可の迅速化を義務付けたが、多くの国で国内法化が遅れている(2024年10月2日記事参照)。ウインド・ヨーロッパは、許認可をめぐる状況は2024年にさらに悪化したと指摘し、改善を訴えた。

さらに、電力網(グリッド)への接続拡大や、モビリティ、暖房や産業分野での電動化の遅れも課題に挙げた。後者に関連して、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ダン・ヨルゲンセン委員(エネルギー・住宅担当)に対し「電動化行動計画(仮称)」を早期に発表し、取り組みを強化するよう要請した。

2024年に発表された風力発電設備への投資額は約310億ユーロだった。投資額の大部分は陸上風力を対象としたもので、洋上風力への投資は依然として少ない。ウインド・ヨーロッパは、洋上風力への最終投資決断は依然として容易ではないと指摘した。

(滝澤祥子)

(EU、欧州)

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