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ハリス氏が全米支持率平均値で上回るも、ジョージア州などでトランプ氏が依然優位、大統領選世論調査(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月29日 11時10分

11月の米国大統領選挙に向けて、民主党全国大会が終了し(2024年8月26日記事参照)、投票日まで70日を切った。民主・共和両党とも激戦州(スイングステート)での選挙活動に力を入れる見通しだ。カマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の対戦を想定した世論調査では、全米平均値でハリス氏の支持率がトランプ氏を上回るが、ジョージア州などではトランプ氏が依然優位にある。

経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが8月28日、大統領選などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、第三政党の候補者も含めた大統領選の投票先を聞いたところ、ハリス氏が47%で、トランプ氏(45%)を2ポイントリードした。ジル・スタイン氏(1%、緑の党)が続いた。

「ワシントン・ポスト」紙(8月28日)がまとめた、大統領選でハリス氏とトランプ氏の直接対決を想定した全米の世論調査の平均値では、ハリス氏の支持率がトランプ氏を2ポイント上回った。個別の激戦州では、ハリス氏がウィスコンシン州で3ポイント、ペンシルベニア州で2ポイント、ミシガン州では1ポイント未満上回っている。その他の州ではトランプ氏が上回っており、ノースカロライナ、アリゾナ各州では1ポイント差、ネバダ州では2ポイント差、ジョージア州では3ポイント差だ。民主党候補としてのハリス氏の支持率は、ジョー・バイデン大統領の選挙戦撤退後から各激戦州で2.8~3.9ポイント上回り、前週(2.7~3.8ポイント、2024年8月20日記事参照)からわずかに上昇した。

8月のジョージア州の世論調査では、「男性」「白人」「大卒でない白人」でトランプ氏の支持率がハリス氏を大きく上回った。ハリス氏陣営は、トランプ氏が優位に立つ激戦の同州での選挙キャンペーンを8月28日から展開している。

選挙情報サイトのクック・ポリティカル・レポート(CPR)は8月27日、大統領選予想でノースカロライナ州を「やや共和党優位」から「接戦」に戻した(注2)。

当初は民主党から立候補し、その後無所属に転向していたロバート・ケネディ・ジュニア氏は8月23日、選挙戦からの撤退を表明し、トランプ氏を支持するとした(2024年8月27日記事参照)。26日には元連邦下院議員(民主党、ハワイ州)のトゥルシー・ギャバード氏もトランプ氏支持を表明した。9月の討論会の準備のためトランプ氏を支援しているという(CBSニュース8月27日)。ギャバード氏は、2020年の大統領選の民主党候補として立候補した経験もあり、2021年1月まで連邦下院議員を務め、2022年10月に民主党を離党した。

一方、ジョージ・W・ブッシュ大統領など過去の共和党大統領候補者のスタッフ200人以上が8月26日に、ハリス氏支持を表明する書簡を発表した。書簡では、トランプ氏が大統領に就任するような事態になれば、「民主主義が取り返しのつかないほど損なわれるだろう」と警告している。

(注1)実施時期は8月25~27日、対象者は全米の成人1,555人。

(注2)CPRの接戦予想は、アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシン、ノースカロライナの7州。

(松岡智恵子)

(米国)

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