1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

2024年12月のCPIは前年同月比44.4%の上昇に鈍化(トルコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月14日 0時15分

トルコ統計機構(TUIK)が1月3日に発表した2024年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、市場予測を下回る前月比1.03%、前年同月比44.38%に鈍化した。市場予測は、前月比1.61%、前年同月比45.21%だった。レジェップ・タイップ・エルドアン大統領は、「われわれがインフレとの戦いで、正しい軌道に乗っていることを再確認した。2025年にはさらに抑制傾向が加速するだろう」と述べた(1月6日付「ヒュッリイェト」)。

12月のCPI上昇率を項目別にみると、サービス部門の価格上昇率が前年同月比で90.66%から65.73%に抑制されたが、不動産賃貸価格は105.82%と最大の伸びになった。また、教育費が91.64%と著しい上昇を見せている。他方、レストラン・ホテル(57.13%)、輸送(47.51%)などは高水準ながらも上昇率の低下が進んでいる。

財部門の12月のCPI上昇率は前年同月比で36.14%だった。食品・飲料の上昇率は11月、12月に生鮮野菜果物に低下傾向が見られ、未加工食品の上昇が50.29%に鈍化、加工食品も37.67%に抑えられ、全体では43.58%だった。白物家電、家具などの耐久消費財は22.46%上昇だった。

TUIKの発表と同じ日に発表された独立調査機関ENAグループの調査結果によると、2024年12月のCPIは前月比2.34%、前年同月比83.40%の上昇とされ、政府発表からは乖離している。また、イスタンブール商業会議所(ITO)が発表したイスタンブール市の12月の小売物価上昇率は、前月比1.74%、前年同月比では55.27%の上昇だった。

2024年12月の国内生産者物価指数(D-PPI)上昇率は前月比0.40%、前年同月比では28.52%だった。D-PPIの上昇率は、前年同月比で2021年3月(31.20%)以来の最低水準となった。ジェブデット・ユルマズ副大統領は、2024年第4四半期にインフレの改善が顕著に見られるとし、特にD-PPIの緩やかな推移が、消費者物価へのコスト圧力を緩和させていると強調した(2025年1月3日付国営アナドル通信)。

トルコ中央銀行は12月26日の金融政策決定会合で、2024年3月に45%から50%に引き上げて以降据え置いていた政策金利を47.5%に引き下げた。中銀は、「11月の基調的なトレンドは横ばいだが、12月に先行指標が低下を示唆している」とその理由を示したが、「金融引き締め姿勢は、月次インフレの基調傾向が大幅かつ持続的に低下し、インフレ期待が予測範囲に収束するまで維持される」と、なお慎重な姿勢を見せている。一方、JPモルガンのアナリストらは、2025年末までに政策金利が30%まで引き下げられると予測している(ロイター2025年1月4日)。

(中島敏博)

(トルコ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください