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カナダの第3四半期GDP成長率、前期比年率1.0%(カナダ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月3日 10時0分

カナダ統計局が11月29日に発表した2024年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は、前期比年率1.0%で、4四半期連続のプラス成長となった。なお、2024年第2四半期(4~6月)の成長率は、8月発表の2.1%(2024年9月2日記事参照)から2.2%に上方修正された。

統計局は、家計支出と政府支出の増加がGDP成長に寄与したものの、非農業部門の在庫蓄積の鈍化や、企業の設備投資の減少、輸出の低迷により、伸びが減速したと説明した。

増加要因となった家計支出では、トラック、バン、スポーツ用多目的車(SUV)の新車購入支出が0.9%増加したことや、金融サービスへの支出増加が貢献した。宿泊や飲食サービスへの支出が低下し、1人当たりの家計支出は過去8四半期のうち6四半期で減少したものの、2024年第3四半期には0.2%上昇した。政府支出は全部門で増大し、1.1%の増加で、2023年第4四半期の減少の後、3四半期連続の増加となった。

一方、減速要因の非農業部門全体での在庫備蓄の鈍化は、小売り自動車の在庫減少と、耐久財や非耐久財の製造在庫の取り崩しが主な要因となった。また、機械設備投資は、航空機やその他の輸送機器および同部品で7.8%減少。航空機と船舶の輸入も、第2四半期の大幅な増加を受け減少した。輸出は第2四半期の1.4%減からさらに0.3ポイント減少し、最大の減速要因となった。主な要因は、未加工の金、乗用車および小型トラック、旅行サービスの輸出の減少だった。原油およびビチューメン(注)の輸出増加が、全体的な減少を緩和した。

統計局の発表を受け、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)傘下のRBCエコノミクスのエコノミスト、ネイサン・ジャンゼン氏は、GDP成長率で示された数字はインフレ率を2%で維持するには金利が高すぎることを裏付けていると分析。「カナダ中央銀行(中銀)は更新される労働市場データを注視するだろうが、われわれの基本シナリオではさらに50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げられると想定している」とコメントした(RBC経済アップデート11月29日)。

中銀の次回の政策金利発表は12月11日に予定されている。

(注)ビチューメンとは、天然に産する炭化水素類、あるいはそれらを含む非金属誘導体などの混合物の総称。

(井口まゆ子)

(カナダ)

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