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ペニャ大統領、政府の投資誘致ビジョンを語る(パラグアイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月2日 0時15分

パラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領は3月18日、大統領府「ロペス宮殿」で行われたイベントにおいて、政府の投資誘致ビジョンを説明した。同ビジョンの中で、大統領は小さな政府による効率的な政策運営とこれまでの人的投資を生かして、国内資源を生かした付加価値の向上、台湾との国交維持、メルコスールによる日本と中国大陸双方を含めた通商関係強化の重要性を訴えた。大統領による具体的な説明は次のとおり。

〇1人当たりGDPを現在の6,000ドルから1万5,000ドルにすることを目指している。そのためには単に農作物を輸出するのではなく、技術によりその生産性を高める必要がある。パラグアイは肥沃な土地に恵まれており、技術により、栽培の規模が拡大できる。原材料と技術による付加価値を組み合わせた生産モデルこそ、パラグアイの発展を可能にする。今後数年間の高い経済成長率を支えるのは、パルプ産業と、豊富で安価な水と電気の恩恵を受ける産業だ。現在建設中のパラセルのパルプ工場の生産は、それだけでGDPの4%に相当する。

〇投資を呼び込むには、安定したマクロ経済のみならず、シンプルな制度設計が必要だ。パラグアイの利点の1つは、公共部門の規模が小さいことだ。今日、ハビエル・ミレイ大統領は、小さな国家が必要だと言っているが、パラグアイは既にその効率性を持っている。またパラグアイは、ブラジルやアルゼンチンのような連邦制ではなく、意思決定に時間を要しない。

〇パラグアイの課題である人的資本については、数年前から公教育の拡充を念頭に投資を行ってきた。しかし、OECDの生徒の学習到達度調査(PISA)の結果が悪く、さらなる努力が必要だ。そこで、大学の奨学金プログラムに投資し、教員養成の改善に取り組んだ。そして台湾とのつながりは、パラグアイが科学技術面で視野を広げるのに役立っている。

〇台湾との関係を見直すつもりは全くない。台湾との国交を断絶した国のほとんどは、経済的な弱さの中で関係を断ち切った。パラグアイは違う。われわれは、多くの中国製品を輸入しており、中国はパラグアイ産大豆の主な買い手でもある。パラグアイがブラジルやアルゼンチンと対峙(たいじ)しているように、中国という大国と対峙しているという意味で、台湾はパラグアイと非常によく似た歴史を持つ国だ。それはパラグアイが見習いたいモデルでもある。

〇通商協定について、メルコスールは、2023年12月の首脳会合においてシンガポールとの自由貿易協定(FTA)に署名した。加えて、アラブ首長国連邦(UAE)とのFTA交渉を開始した。2024年7月のアスンシオンでの首脳会議で、UAEとの協定への調印を目指している。また、最近、ルベン・ラミレス・レスカノ外相が訪日し、日本とも興味深い対話を行った。われわれは、メルコスールは中国大陸を含む全世界に門戸を開き、FTAを交渉すべきだと考えている。EUとのFTAの状況は非常に複雑だ。なぜなら、EUは、メルコスールが提供する大きなチャンスに気づいていない。われわれは意欲的だが、EUとのFTAという列車を逃す可能性もある。そして、他の市場を開拓するために、私たちは心を開くべきだと心から信じている。

(西澤裕介)

(パラグアイ)

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