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タイ・ブータンFTAが交渉開始、2025年内に妥結を目指す(タイ、ブータン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月30日 0時15分

タイのナピントーン・シーサッパーン商務副大臣率いる代表団は、5月15日から17日にかけてブータンの首都ティンプーを訪問した。同副大臣は、タイ・ブータン自由貿易協定(FTA)の枠組みを決める付託事項書(TOR)に署名を行い、2国間FTAの交渉開始が正式に決定した。2025年内の交渉妥結を目指す。

なお、ブータンは2023年12月に、国連の後発開発途上国(LDC)リストから除外された。タイ関税局関税政策・審査請求課は2024年5月2日に通達2/2567号を発出し、LDC向け無税無枠(DFQF)制度の対象からブータンを除外した。ブータン政府がFTAによる特恵税率の獲得を目指すなか、南アジア諸国とのFTA拡充を進めるタイ政府の意向が合致したかたちとなった。

タイ商務省貿易交渉局(DTN)によると、2023年の両国の貿易総額は1,878万ドルで、タイのブータンへの輸出が1,871万ドル、ブータンからの輸入が6万ドルとなっている。タイからは主にコンピュータ・同部品、繊維製品、小麦・同調整品、乾燥果物、電気機器・同部品を輸出し、ブータンからは航空部品、金属製品、手工芸品、冬虫夏草(キノコ)などを輸入している。今後、両国は貿易額を1億2,000万ドルに拡大することを目指す。

なお、ブータンとの第1回FTA交渉は2024年5月17日に実施された。タイ商務省貿易交渉局(DTN)の5月20日発表によると、交渉では、物品貿易協定の構成について結論に至り、詳細を協議するため、(1)物品貿易、(2)原産地規則、(3)税関手続き・貿易円滑化、(4)貿易上の救済措置、(5)衛生植物検疫措置、(6)貿易の技術的障害、(7)経済協力、(8)法務関連、の8つの作業部会を設置することで合意した。第2回交渉は2024年8月に実施する予定。

ブータン産農産物の支援を表明、タイ側には投資機会も

第1回交渉に先がけて、5月15~16日に実施された第5回タイ・ブータン合同貿易委員会(共同議長:ナピントーン副大臣、ブータンのナムギャル・ドルジ産業・商業・雇用相)では、農産物の貿易が主な議題となった。タイ側はブータン産のリンゴ、オレンジ、ジャガイモ、キヌア、アスパラガス、ショウガ、冬虫夏草、キノコに対して市場開放の用意があるとし、加えて、製品開発や衛生植物証明書の発行、輸入要件などについても支援を表明した。また、タイ商務省知的財産局(DIP)は、ブータン産品(はちみつ、アスパラガス、冬虫夏草など)の地理的表示(GI)認証取得に向けたノウハウ共有も行うとした。

観光分野では「2つの王国、1つの目的地」をコンセプトとして、仏教観光、地方コミュニティ観光、メディカル・ウェルネス観光といった分野で協力する。また、エコツーリズムに関心の高い欧米人観光客向けのホテル、レストランの投資でも連携する。

また、ブータン側から、同国が開発を計画するスマートシティ「ゲレフ・マインドフルネス・シティ」の紹介があり、タイの投資家にとって、国際空港、水力発電所や交通分野などで機会があるといった説明があったという。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、ブータン)

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