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米オープンAIが米カラーヘルスと提携、AI技術を活用したがん治療支援(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月27日 9時40分

米国のオープンAI(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は6月17日、医療系スタートアップの米国カラーヘルスと提携し、医師向けのがんスクリーニング・コパイロット(注1)を開発したと発表した。この提携により、同社はAIモデルをがんスクリーニングや治療に応用することで、AIの利用を医療分野にも進めることになる。

カラーヘルスは、オープンAIのAPI(注2)を使用して、患者のデータと臨床知識を統合することで、コパイロットを総合的な治療計画を作成できるようカスタマイズする。カスタマイズされたコパイロットを医療従事者に提供することで、治療に役立てることができる。同社のオスマン・ララキ最高経営責任者(CEO)は、同社がヘルスケア企業として、患者の安全とプライバシーを守ることを重視し、オープンAIが「健康保険移行および説明責任法(HIPAA)」(注3)に準拠していることがカギだ、と強調している。

オープンAIによれば、がん治療におけるスクリーニング検査や、診断、治療は複雑で時間がかかり、4週間の治療の遅れが、死亡率を6~13%高めるとしている。今回導入される技術により、がん患者の治療までの時間を短縮できるとしている。カラーヘルスは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)ヘレン・ディラー家族総合がんセンター(HDFCCC)と共同で成果を調査中だという。

また、カラーヘルスは自社の診療医向けにコパイロットアプリの初期段階の導入を開始したところ、同アプリを使用することで、検査、画像、生検、病理の各結果の欠落を4倍多く特定できたと報告されている。さらに、同アプリ使用下では、臨床医は平均5分で患者の記録を分析し、必要な診断を特定することができるが、同アプリなしでは、情報が断片化され、必要な診断の特定に数週間かかる可能性があるという。同社は医師の監督の下、2024年の下半期を通じて、同アプリを使用した生成AIでパーソナライズされた治療計画を20万人以上の患者に提供する予定だ。

(注1)米国マイクロソフトがオープンAIの技術を用いて提供している、検索エンジン型生成AI機能。業務やユーザーに応じてパーソナライズできることが特徴とされている。

(注2)アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)の略称で、ソフトウエアやプログラム、ウェブサービスの間をつなぐ装置のこと。

(注3)「健康保険移行および説明責任法(Health Insurance Portability and Accountability Act, HIPAA)は、1996年に米国で制定された個々の健康情報のプライバシーと安全性を保護するための国家基準を設定したもの。医療情報の電子交換、プライバシーや安全性の基準を公表することを義務付けている。

(松井美樹)

(米国)

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