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「今後の10年のためのアクションプラン」発表、第2回AZEC首脳会合(ASEAN、日本、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月5日 1時45分

日本の外務省は10月11日、第2回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合を同日、ラオスのビエンチャンで開催したと発表した。日本からは石破茂首相や武藤容治経済産業相が出席したほか、AZECパートナー国から首脳・閣僚級が参加した。ASEANでの同首脳会合の開催は初めて。

石破首相は気候変動対策が人類共通の喫緊の課題とした上で、「脱炭素化、経済成長、エネルギー安全保障を同時に実現すべく、産業構造やエネルギー構成等の各国の事情を踏まえた多様な道筋の下でネット・ゼロを達成する」と述べた。

首脳共同声明では、「今後10年のためのアクションプラン」を公表した。同アクションプランは、(1)AZECソリューションを進めるための短・中期的行動計画、(2)セクター別イニシアチブ(2024年8月27日記事参照)、(3)具体的なプロジェクトの推進で構成される。

AZECソリューションを進めるための短・中期的行動計画としては、次の項目が盛り込まれた。

〇サプライチェーン全体にわたる温室効果ガス(GHG)排出の可視化を通じた産業の競争力向上:事業活動でのGHGの算定・報告の促進、先進的な脱炭素技術によるGHG排出削減を評価するための指標や手法の開発などを含むGHG排出の可視化を進めるための協働。

〇トランジション・ファイナンスの推進:公正かつ低廉な移行資金の重要性、ブレンデッド・ファイナンスなどの革新的な資金調達方法やその他の金融手法での官民協力の重要性を強調するための協力。

〇農業分野の技術やイノベーションの普及を通じた排出削減、吸収・除去の推進:日ASEAN みどり協力プランなどのイニシアチブに基づき、AZECパートナー国間での技術やイノベーションの普及を通じて、アジアモンスーン地域の農林分野の排出削減、吸収・除去の取り組みモデルを確立・推進するための協力。

〇運輸部門の脱炭素化:道路交通からの排出削減を加速するため、国際基準に準拠した持続可能な燃料、原材料の製造・供給システムを確立するための協調。

〇カーボンニュートラルポート(CNP)の推進、道路インフラの排出量削減:日ASEAN交通連携(AJTP)の下で開催される日ASEAN 港湾技術者会合を通じたアジア諸国向け CNPガイドラインの策定など、アジアにおけるCNP形成を推進するための協力。

〇十全性(質)の高い市場の推進:AZEC内での2国間クレジット制度(JCM)パートナー国の拡大などを含むカーボンクレジット市場の拡大を含む十全性(質)の高い炭素市場に関する協力。

第2回AZEC首脳会合に向けた協力案件リスト(具体的なプロジェクト)として、121の案件が紹介された(詳細は日本の経済産業省ウェブサイトより参照可能)。

(大滝泰史)

(ASEAN、日本、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)

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