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2024年の乗用車生産台数は過去最高を記録(チェコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月27日 1時20分

添付資料PDFファイル(121 KB)

チェコ自動車工業会の1月21日の発表によると、2024年の国内乗用車生産台数は前年比3.9%増の145万2,881台となり、新型コロナ禍前の2018年(143万7,396台)の過去最高記録を更新した(添付資料図参照)。

同工業会のマルチン・ヤーン会長は、逆境の中で生産台数が増加し、記録更新を達成した事実を評価し、「不安定なサプライチェーン、地政学リスクの悪影響、経済成長の緩慢化、依然として高止まりしているエネルギー価格などの悪条件にもかかわらず、2024年は素晴らしい結果を達成できた。この実績はチェコの自動車工業が国内、そして欧州経済の重要な柱であり続けていることを証明している」と述べた。

2024年の実績をメーカー別にみると、最大メーカーのシュコダ・オート〔フォルクスワーゲン(VW)グループ〕の生産台数は89万6,933台(国内乗用車総生産台数に占めるシェア61.7%)で、前年比3.7%増加した(添付資料表参照)。トヨタモーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ、トヨタグループ)は、22万5,058台(同15.5%)で、前年比17.0%と大幅な伸びを示した。チェコ自動車工業会は、TMMCZが2023年の特に春季と夏季に部品供給が停滞し、生産停止を余儀なくされた結果、同年の年間生産台数が低下した事実を指摘している。同社の2024年生産台数の半数はBセグメントのコンパクトカー「ヤリス」のハイブリッドモデルが占めた。一方、現代チェコ(現代自動車グループ)の生産台数は33万890台(同22.8%)で、前年比2.8%減となった(2023年は前年比5.6%増)。同社では電気自動車(EV)であるバッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の生産台数の合計が全体の16.5%を占めた。同社のイ・チャンギ社長は、欧州におけるEVの需要が期待したほど伸びなかった事実が、実績に影響したと説明している。

2024年のEVの製造状況をみると、BEVとPHEVを合わせた生産台数は15万1,162台で、2023年の18万887台より16.4%減少した。うちBEVは11万3,232台(シュコダ7万9,932台、現代3万3,300台)で13.3%減、PHEVは3万7,930台(シュコダ1万6,602台、現代2万1,328台)にとどまり、24.6%減となっている。全国内生産台数に占めるEVの割合は10.4%で、2023年の12.9%から後退した。

ヤーン会長は、EV購買意欲が低下状態にある現在、EUの乗用車の二酸化炭素(CO2)排出規制によるEV販売比率の引き上げ圧力の増大を問題視している。同会長は、欧州委員会は2025年には自動車メーカーに対するCO2排出基準(2024年1月25日記事参照)の見直しを図り、その後、EU内における自動車工業の国際競争力を支援し、同時に消費者購入価格の引き下げにつながるような真の産業政策を提議していく必要があると、主張している。

(中川圭子)

(チェコ)

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