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9月の米個人消費支出デフレーターは2.1%に低下も、コア指数は足踏み続く(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月1日 15時10分

添付資料PDFファイル(156 KB)

米国商務省は10月31日、9月の個人消費支出(PCE)を公表した。消費、名目所得ともに増加したが、実質可処分所得の伸びの弱さや貯蓄の下押しなど、消費の先行きにやや疑問を感じさせる内容も見られた。物価関連では、PCEデフレーターは、ガソリンなど主に財の価格低下が寄与して、2.1%まで低下した一方、食品とエネルギーを除いたコア指数は足踏み状態が続いている。

所得関連では、個人所得が名目ベースで前月比0.3%増(前月0.2%増)と、市場予測に合致した。雇用者報酬が0.5%増(寄与度0.3ポイント)と、前月から伸びはほぼ横ばいで推移する一方、利息・配当は0.2%減(マイナス0.0ポイント)と、マイナス幅が縮小した(添付資料表1参照)。

税を除いた可処分所得は、名目ベースで0.3%増と、前月から伸びはほぼ横ばい。実質ベースは0.1%増にとどまっているほか、1人当たりだと横ばいで弱さが目立つ。名目可処分所得の使途をみると、消費支出が0.5%増(寄与度0.5ポイント)、利払い費が0.0%増(0.0ポイント)、貯蓄が4.7%減(マイナス0.2ポイント)となっている。可処分所得を上回る水準の消費に伴い、貯蓄率は引き続き低下し、4.6%となった。

名目個人消費支出の伸び(前月比0.5%増)の内訳では、サービス部門(寄与度0.4ポイント)の寄与は前月とほぼ変わらない水準で、住居費(0.1ポイント)、ヘルスケア(0.1ポイント)、外食(0.05ポイント)などが寄与した。9月の伸びは、財部門(0.17ポイント)の寄与が大きく、特にハリケーンなどに備えた備蓄需要増で、食品(0.07ポイント)や医薬品などのその他非耐久財(0.08ポイント)の寄与が大きかった。実質ベースでの個人消費支出は0.4%増で、押し上げに寄与したのは上記の項目とほぼ同様だった(添付資料表2参照)。

物価関連では、PCEデフレーターは前年同月比2.1%増(前月2.3%増)、前月比では0.2%増(0.1%増)となった。一方、コア指数は前月比0.3%増(前月0.2%増)と上昇し、前年同月比では2.7%増(2.7%増)と3カ月連続で足踏み状態となっている。市場予想は、前年同月比ではPCEデフレーターが2.1%増、コア指数が2.6%増だった。前年同月比の内訳では、押し下げに寄与したのは前月と変わらずガソリン(15.2%減)や食品・エネルギーを除く財(0.4%減)。一方、住居費(4.9%増)は前月の5.0%増からわずかな低下にとどまったほか、ヘルスケア(3.0%増)や輸送サービス(2.5%増)などは前月から上昇が続き、サービス部門全体(3.7%増)はほとんど低下していない(添付資料表3参照)。

市場では、11月と12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、各回0.25ポイントの利下げが行われるとの見方が強いが、複数のFOMC関係者は慎重な利下げペースを度々主張している。11月6~7日のFOMCで、雇用情勢を含む経済の現状やコアインフレの推移などについて、どのような見解が示されるのか注目される。

(加藤翔一)

(米国)

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