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フランス下院選、第1回投票で極右政党がトップに(フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月2日 13時0分

欧州議会選挙の結果を受けてエマニュエル・マクロン大統領が解散を発表した、フランス国民議会(下院)の選挙(第1回投票)が6月30日に行われた(2024年6月19日記事参照)。極右野党「国民連合(RN)」の躍進と政権交代を巡る選挙に国民の関心が高まり、投票率(速報値)は66.71%と前回2022年の下院選挙の47.51%を大きく上回った。

内務省が発表した開票結果(速報値)によると、マリーヌ・ルペン氏率いるRNの得票率は29.25%でトップとなり、第1回投票で当選を決めた候補者数はルペン氏を含む37人に上った。保守野党「共和党」のエリック・シオティ党首が、RNと選挙協力を決めて立ち上げた候補者グループ「極右連合(UXD)」の得票率は3.9%となり、RNと合わせた得票率は33.15%とこれまでにない高い水準に達した。

2位は極左野党「不服従のフランス(LFI)」を軸とする左派連合「新民衆戦線(NFP)」で得票率は27.99%、第1回投票における獲得議席数は32となった。他方、マクロン大統領を支持する中道の与党連合は20.04%で3位となり、第1回投票における獲得議席数は2にとどまった。4位はRNとの選挙協力を巡り党内対立が顕在化した「共和党」で、得票率は6.57%、獲得議席数は1となった。

世論調査会社のIPSOSが6月30日午後8時に発表した獲得議席数の予測によれば、定数577議席のうちRN連合が230~280議席(このうちRNが204~244議席、UXDが26~36議席)と解散前の89議席から議席数を大幅に伸ばして最大勢力となる一方、2位のNFPは125~165議席(このうちLFIが58~72議席)、3位の与党連合は70~100議席と解散前の245議席から議席数を半数以下に減らす見通しとなった。

決選投票(注)は7月7日に行われる。RNが単独過半数となる289議席を獲得できるかが焦点となる。第1回投票の結果を受けてガブリエル・アタル首相は6月30日、「決選投票でRNに単独過半数を与えないことが重要だ」と言明し、有権者にRNに投票しないよう求めた。LFIを率いるジャン=リュック・メランション氏は同日、RNがトップでLFIが3位となった選挙区ではLFIの候補者を取り下げ、反RNで票を一本化する方針を表明した。

(注)第1回投票で過半数を得票し、かつ有権者の4分の1以上の票を獲得した候補者が当選する。1回目の投票で当選した候補者がいない場合、1回目の投票の上位2人と、1回目の投票で有権者の12.5%以上の票を獲得した候補者が決選投票に進み、最も多くの票を獲得した候補者が当選する。

(山崎あき)

(フランス)

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