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ステランティス、ストライキ実施巡り、全米自動車労働組合を提訴(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月9日 11時35分

大手自動車メーカーのステランティスは10月3日、全米自動車労働組合(UAW)が同社に対するストライキ実施の準備を進めていることが2023年に締結した労使契約の違反に当たるとし、カリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所にUAWと同ロサンゼルス支部を提訴した(オートモーティブニュース10月7日)。

UAWは、同社との労使契約の一部として盛り込まれたイリノイ州ベルビディア組立工場の再稼働や、ほかの組立工場への投資が遅延していることが契約違反とし、8月19日に全国ストライキ実施の可能性を表明した上、苦情(グリーバンス)を申し立てていた(2024年8月21日記事参照)。また、10月3日には、ロサンゼルスの同社部品配送センターのUAW組合員がストライキ実施に関する投票を行い、圧倒的多数が賛成票を投じた。UAWの10月4日発表で、ショーン・フェイン会長は「組合員たちは(2023年の)ストライキでこれらの投資を勝ち取った。必要であれば、再びストライキを実施して、ステラティスに約束を守らせるつもりだ」と述べた。UAWは、ステランティスが提示した投資計画は労使協定締結から1年が経過した現時点で、190億ドルの公約のわずか約2%にすぎないと主張している。

一方、ステランティスは、生産計画の変更について電気自動車(EV)の需要減速を指摘しており、ビジネス上の正当な理由がある場合は、製造施設への投資を遅らせる権利があると主張している(オートモーティブニュース10月7日)。同社のベルビディア組立工場は、EV生産関連施設に転換して再稼働する計画で、米国エネルギー省から3億3,500万ドルの助成金を受ける予定となっていた(2024年7月16日記事参照)。また、同社は投資の延期以外にも、売り上げ減少に伴う生産台数の調整のための大規模な従業員解雇が報じられている(2024年8月21日記事参照)。同社の2024年第3四半期(7~9月)の販売台数は前年同期比約20%減少している。

(星野香織)

(米国)

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