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米メンフィス商工会議所、マスク氏の生成AI開発企業がスーパーコンピュータを設置と発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月7日 14時40分

米国テネシー州のグレーターメンフィス商工会議所は6月5日、イーロン・マスク氏が代表を務める人工知能(AI)開発のxAIが、同州メンフィスに世界最大のスーパーコンピュータ「ギガファクトリーオブコンピュート」を設置すると発表した。

2023年7月に設立が発表(注)された同社は、生成AI「グロック」の開発に取り組んでおり、マスク氏が所有するX(旧Twitter)と連携して、Xの5億人以上のユーザーに技術を提供している。同社の生成AIは、Xのリアルタイム情報を活用する点が特徴で、質問に対して若干の機知に富んだ回答を行うという。なお、2024年3月には「グロック」のオープンソース化を行ったほか、同年4月には、文書や写真など画像情報の処理が可能になったと発表した。マスク氏は、xAIのためにエヌビディア製画像処理半導体(GPU)「H100」を10万個搭載したデータセンターを建設し、2025年秋までに稼働させたいと述べており(データセンターダイナミクス5月28日)、xAIは2024年5月26日、シリーズBとして60億ドルの資金調達を行い、同資金を高度なインフラ構築などに活用すると発表していた。

今回の発表では、金額や雇用人数は明記されていないものの、新規参入企業によるメンフィス史上最大の投資となる見込みで、かつて製造施設として利用されていた物件を活用する予定だ。H100は1個当たり3万ドルほどの費用がかかるため、10万個を購入するだけでも数十億ドルの投資に達すると見込まれる。一方で、新規雇用人数は100~150人規模になる見込み、と報じられている(「ビジネス・ジャーナル」6月5日)。

グレーターメンフィス商工会議所のテッド・タウンゼント会頭兼最高経営責任者(CEO)は「最初の3週間から今日に至るまで、メンフィスは、xAIにとって魅力的な特性である『速さ』と『力強さ』が融合したグローバルな結節点として浮上した」と述べた。なお、同商工会議所は2022年、メンフィス地域をより包摂的で豊かにするための新たな戦略的成長計画「プロスパー・メンフィス2030」を発表し、2030年までの活動を規定する戦略的優先事項として、先端産業の企業を700社増やすことを挙げ、企業誘致などに積極的に取り組んでいる。

(注)マスク氏は2024年1月のXへの投稿で、同氏が代表を務める電気自動車(EV)製造のテスラについて、同社をAIとロボティクスのリーダーに成長させるためには同社の25%の議決権が必要で、それが難しい場合は同社の外で製品を開発すると述べていた。実際、同氏は半導体大手エヌビディアに対して、テスラよりもXとxAI向けプロセッサの出荷を優先するよう指示したと報道されている(CNBC 6月4日)。

(檀野浩規)

(米国)

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