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ルーマニア政府、黒海での洋上風力発電ロードマップを発表(ルーマニア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月3日 1時0分

ルーマニア政府は9月27日、黒海のルーマニア沖における洋上風力発電の開発に向けた指針となるロードマップを発表した。世界銀行やEUの資金や協力を得て作成したもので、2035年までの開発ビジョンや目標が示された。

ルーマニアの洋上風力発電のポテンシャルについては、風況の良さ、港湾設備、鉄鋼をベースとするサプライチェーン、熟練労働者を備えており、将来的に大規模なグリーンエネルギー源になる可能性があると説明した。その上で、海岸から50キロ以内の主に着床式に適した浅瀬に位置する2つの異なる洋上風力発電の成長シナリオの分析結果を開示した。高成長シナリオでは、2035年末までに国内総電力需要の37%(TWh:テラワットアワーベース)を供給するために7ギガワットの洋上風力発電を設置すると仮定し、サプライチェーンの改善により53億ユーロの付加価値が生み出されるとした。低成長シナリオでは、2035年末までに国内総電力需要の16%が3ギガワットの洋上風力発電設置により供給され、サプライチェーンの改善による付加価値は14億ユーロ程度とした。

ロードマップでは、2023年に洋上風力発電の開発に関するエネルギー戦略を明確化し、2023~2024年にかけて開発ゾーンの設立、許認可、事業実施のためのフレームワークの策定を行い、2023~2029年に最初のプロジェクトを実施、2025~2035年にかけて送電ネットワークの改修、港湾整備、サプライチェーン支援などの長期インフラ開発を手がける。

世界銀行の洋上風力発電開発プログラム共同リーダーのショーン・ウィテカー氏は、今回発表されたロードマップについて「黒海が欧州の洋上風力発電において有望な新領域であることを明確化し、ルーマニアの長期的な再生エネルギー目標を達成するために大きな可能性を秘めていることを示すものだ」とし、「沿岸水域が比較的浅いため、風力タービンの設置は技術的にも経済的にも容易である。この戦略的な立地により欧州のエネルギー市場へのアクセスが可能になり、将来的には洋上風力発電を域内の送電網に統合することに貢献できる」と高く評価した。

(高崎早和香)

(ルーマニア)

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