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第4四半期の米GDP、前期比年率2.3%増と減速も消費堅調、設備・在庫投資減が影響(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月31日 14時50分

添付資料PDFファイル(353 KB)

米国商務省が1月30日に発表した2024年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(速報値)は前期比年率2.3%(添付資料表、図参照)で、市場予想(2.7%)を下回った。設備投資の下押しが影響した。通年では、2024年の成長率は2.8%で、2023年(2.9%)とほぼ同水準となった。

需要項目別に見ると、内需では、個人消費支出(PCE)が4.2%増、寄与度2.8ポイントと、前期に続いて強い伸びを示し、最大の押し上げ項目となった。サービス消費(3.1%増、1.5ポイント)も前期からやや加速し、財消費(6.6%増、1.4ポイント)ともに堅調に推移した。財消費では、レクリエーショングッズ(16.2%増、0.7ポイント)、自動車・同部品(13.9%増、0.5ポイント)などが主な押し上げ要因だった。2024年10月のハリケーンなどの復興需要に伴う自動車販売の伸びや、年末商戦の結果などが反映されたかたちだ。

次いで押し上げに寄与したのは第2、3四半期(4~9月)のマイナスから反転した住宅投資(5.3%増、0.2ポイント)だった。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが開始され、一時的に住宅市場が回復の動きを見せたことなどが反映された。政府最終消費支出(2.5%増、寄与度0.4ポイント)もプラスを維持したが、前期に見られた国防関連支出の増加の影響が剥落した結果、伸びは縮小した。

他方、設備投資(2.2%減、マイナス0.3ポイント)は2021年第3四半期(7~9月)以来、初めてマイナスとなった。前期に見られたコンピュータ関連投資の駆け込み増が剥落したほか、製造業の低調さを反映して、関連する設備投資も低調に推移した。また、在庫投資(寄与度マイナス0.9ポイント)も低調に推移した。

外需は、輸入(前期比年率0.8%減)、輸出(0.8%減)といずれも減少し、寄与はゼロとなった。輸入は設備投資とほぼ同様の動きでコンピュータ関連が減少した。

今後も引き続き高所得者層消費や人工知能(AI)投資などに牽引されて、GDPは成長を続けるとの見方が強いが、リスクもある。FRBの利下げペースの鈍化(2024年12月19日記事参照)や、財政の先行き懸念などを背景として、10年物国債の利回りは5%をやや下回る水準で推移するなど、金利は高止まりの傾向を見せており、債務上限交渉(2025年1月20日記事参照)を控える中で、こうした傾向はしばらく続く可能性が高い。これらは住宅投資の下押しにつながる可能性がある。また、政府消費は、ドナルド・トランプ大統領が支出の凍結・見直し作業(2025年1月30日記事参照)を進めており、2025年前半は下押しも予想される。また、関税政策や移民政策の実施範囲によっては、中・低所得者層消費のさらなる鈍化も懸念される。

(加藤翔一)

(米国)

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