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ASEANビジネス投資サミット(ABIS)2024、連結性と強靭性がテーマに(ASEAN、ラオス、ベトナム、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月18日 0時20分

ASEANビジネス投資サミット(ABIS)が10月8日から11日にかけて、ラオスの首都ビエンチャンで開催された。本イベントは、ASEAN首脳会議の併催イベントとして、ASEANビジネス諮問委員会(ASEAN-BAC)の2024年議長のラオス商工会議所(LNCCI)が主催した。ラオスのソーンサイ・シーパンドン首相、ベトナムのファム・ミン・チン首相、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領、ニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相、インドネシアのマルフ・アミン副大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相ら、各国の首脳や経済界の代表者が基調講演やパネル討論に登壇した。

2024年のABISのテーマは「経済の連結性と強靭(きょうじん)性の強化」であり、(1)デジタルトランスフォーメーション、(2)持続可能な開発、(3)健康の強靭性、(4)食料安全保障、(5)貿易・投資の円滑化、(6)連結性とサプライチェーンといった優先分野について討議や発表が実施された。

ソーンサイ首相は「ASEANは現在、世界で5番目に大きい経済ブロックであり、2030年には4位となる見通し。地政学的な変化が大きいなかで、ASEANにとってはチャレンジングな環境だが、機会にもなっている。デジタル経済の連結性、インフラの連結性を促進し、グリーンエネルギーの開発を進め、イノベーションと持続可能性を高めるべきだ」と強調した。

写真 ラオスのソーンサイ首相(ジェトロ撮影)

ラオスのソーンサイ首相(ジェトロ撮影)

ベトナムのチン首相は「今日の世界はサプライチェーンの寸断、少子高齢化など問題が山積みだが、ASEANが成長の中心であるためには強靭でなくてはならない。そのためには『強靭な民間セクター』が不可欠だ」と強調した。同首相は、地域の輸送インフラ、デジタル経済、グリーン・循環型経済が優先分野だとする一方、「経済成長のために社会の安定性が犠牲となるべきでない」と指摘。コンプライアンス順守についても一定のコストの割り当てが必要、と語った。

写真 ベトナムのチン首相(ジェトロ撮影)

ベトナムのチン首相(ジェトロ撮影)

「ASEANエネルギー・トランジション」のセッションでは、ジェトロの中澤克典理事が基調講演を行った。同理事は「ASEAN企業はグローバル市場からの圧力により、脱炭素化に取り組むことを余儀なくされている」と指摘し、「ASEAN各国でカーボンニュートラルの目標が立てられるなか、達成に向けた企業間連携、スタートアップなどとのオープンイノベーションが不可欠だ。これをどのように進めていくか、議論が必要だ」と述べた。その上で、ジェトロの情報発信や「ファストトラック・ピッチ」などを通じた脱炭素ソリューションを有するスタートアップとASEAN企業との連携・協業の支援などの取り組みを紹介した。

写真 ジェトロの中澤理事(ジェトロ撮影)

ジェトロの中澤理事(ジェトロ撮影)

(北見創)

(ASEAN、ラオス、ベトナム、日本)

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