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欧州委、域外投資規制の導入を念頭に、加盟国に先端技術の域外漏えいの調査を求める(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月22日 0時10分

欧州委員会は1月15日、EU加盟国に対し、自国企業による域外国への投資(域外投資)に関する調査を求める勧告を発表した(プレスリリース)。勧告は、経済安保戦略(2023年6月23日記事参照)に基づき、技術漏えい対策として発表された域外投資規制に関する白書(2024年1月29日記事参照)において、実施の方針が明らかにされていたものだ。

現時点では、加盟国は域外投資に関するデータを包括的に収集しておらず、域外投資に係る安全保障リスクの評価もできていない。そこで欧州委はまず、加盟国に対し、今後15カ月間にわたり域外投資の情報を収集・評価することを求め、リスクが特定された場合、加盟国とともに既存の法令で対応可能か、あるいは新たな法令が必要かを検討するとしている。

なお、勧告には法的拘束力はなく、各加盟国は今後、情報提供を企業に義務付けるのかなどを含め、調査の具体的な実施方法を決めることになる。欧州委は加盟国に対し、2025年7月15日までに進捗報告を、2026年6月30日までに最終報告を提出するように求めている。

勧告が加盟国に求める調査対象は次のとおり。

対象技術:域外投資において最も深刻な技術漏えいリスクがあるとして選定された技術(2023年10月6日記事参照)のうち、先端半導体技術、人工知能(AI)技術、量子技術。
対象域外国:特定の対象国はなく、あらゆる域外国が対象となる。加盟国は個別の域外国のリスクに応じて、特定の域外国の投資案件を優先して調査することができる。
対象投資形態:買収、合併、資産譲渡、グリーンフィールド投資、ジョイントベンチャーの設立、経営支援への資本提供やベンチャーキャピタルへの追加資本など。域外国にあるEU企業の子会社やジョイントベンチャーなどを通じた投資も対象となる。ただし、投下資本利益率を追求する非支配目的の投資は対象外。
対象期間:現在進行中の投資案件だけでなく、2021年1月以降に完了した投資案件も対象となる。特に懸念がある場合、加盟国はそれ以前の投資案件も対象とすることができる。

(吉沼啓介)

(EU)

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