進む米ロサンゼルス港の大気汚染対策、日本企業も貢献(米国、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月10日 0時40分
米国カリフォルニア州のロサンゼルス港は10月4日、同港の大気汚染対策に関する評価などを公表した。同港では、大気汚染を抑制する計画の進捗を把握するために、大気汚染物質排出量の分析結果などのインベントリ(一覧表)を毎年作成し、ボードメンバーでその検証を行っている。ニュースリリースによると、新しいクリーンモデルのトラックや貨物列車の増加、ターミナルで利用される機器、船舶などへの電力供給のための再生可能なディーゼル燃料の利用増加、業務効率化の取り組みによって対策が大きく進んでいると評価している。
各物質の排出量を2005年と比較すると、発がん性物質とされるディーゼル粒子状物質(DPM)は91%、スモッグの主要成分の窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)はそれぞれ74%、98%減少しており、2023年比ではDPM、NOx、SOxそれぞれ24%、29%、40%減少したとされる。また、温室効果ガス(GHG)排出量は2005年比で24%減少している。各物質の排出量は物流量にも影響されるが、その影響を考慮したTEU(1TEUは20フィートコンテナ換算)当たりの排出量でGHGは34%減少しており、これまでで最大の削減となっている。
カリフォルニア州では、2030年までに1990年の水準と比較して40%、2050年までに80%のGHG削減を目標としている。その目標達成のために、全米最大のコンテナ取扱量を誇るロサンゼルス港では、2030年までにターミナル内の全ての荷役機器、2035年までに港湾で運行する全てのドレージ車両をゼロエミッション化する目標を掲げるなど、脱炭素化の取り組みを加速している。
日系企業もロサンゼルス港で水素活用に係る実証実験を行い(2022年11月16日記事参照)、同港ターミナル内で電動大型荷役機械を積極的に活用するなど(2024年7月4日記事参照)、同港の脱炭素化に貢献している。ロサンゼルス港のジーン・セロカ事務局長は「全ての利害関係者と協力して、汚染物質の排出量をゼロにまで削減し続ける」と述べており、引き続き日系企業による取り組みも期待される。
(堀永卓弘)
(米国、日本)
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