アルゼンチン、第1四半期のGDP成長率は前年同期比マイナス5.1%(アルゼンチン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月27日 0時50分
アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は6月24日、2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は、前年同期比マイナス5.1%、季節調整済み前期比マイナス2.6%だったと発表した(添付資料図参照)。四半期別でみると、4四半期連続の前年同期比マイナス成長となった。民間消費や生産活動、総固定資本形成の大幅な落ち込みがGDP全体を押し下げ、前年同期比マイナス3%前後としていた民間の見通しを大きく下回った。
第1四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、特に総固定資本形成(前年同期比23.4%減)の落ち込みが大きかった。他方、輸出が26.1%増と好調だった。経済活動分野別にみると、製造業が前年同期比13.7%減、建設業が19.7%減、金融仲介サービスが13.0%減で、2桁の下落幅(添付資料表参照)を記録した。他方、農業・牧畜・狩猟・林業と鉱業・採石は、前年同期比でそれぞれ10.2%増と8.0%増のプラスとなった。増減寄与度でみると、製造業がマイナス2.16ポイントで、GDP成長率全体を特に押し下げた。
今回の実質GDP成長率の大幅な落ち込みは、2023年12月10日に発足したハビエル・ミレイ政権が公式為替レートを50%超切り下げたことや、財政支出の削減など、緊縮的な政策によって国内需要が縮小し、民間消費や生産活動の落ち込んだことが主因とされている。
今後の見通しについて、中央銀行が民間エコノミストらを対象に毎月実施している主要経済指標の予測値に関するアンケート調査(REM)の最新5月調査結果によると、2024年通年の実質GDP成長率の予測値の中央値は前年比マイナス3.8%となっている。IMFの予測値もマイナス3.5%だ。
他方、6月24日付現地紙「iプロフェッショナル(電子版)」が取り上げたエコノミストらの見通しによれば、主要経済指標は3月に底を打ち、第2四半期から一部の生産活動で改善がみられるとしている。「V字型の回復にはほど遠いが、緩やかな回復が期待できる」との見方がある。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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