1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

トランプ米次期大統領、ナバロ氏を通商・製造業担当の上級顧問に指名(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月5日 10時35分

米国のドナルド・トランプ次期大統領は12月4日、トランプ政権1期目に国家通商会議委員長や通商製造業政策局長(注1)を務めたピーター・ナバロ氏をトランプ氏の上級顧問(通商・製造業担当)に指名すると発表した。ナバロ氏は『米中もし戦わば 戦争の地政学』(Crouching Tiger : What China's Militarism Means for the World)など、中国の通商政策を批判する著書などで知られている。

トランプ氏は声明で「私の1期目(の政権)で、ピーターほど『バイ・アメリカン(米国製品を購入せよ)』『ハイヤー・アメリカン(米国国民を雇用せよ)』という私の2つの神聖なルールを効果的かつ粘り強く執行した人物はほぼいない。彼は、北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓自由貿易協定(KORUS)のような不公平な貿易協定の再交渉を支援し、関税や貿易に関する措置を迅速に実施した」と述べた。トランプ政権1期目ではNAFTAが再交渉され、完成車の原産地規則の厳格化などを経て、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が締結された(2019年5月8日付地域・分析レポート参照)。KORUSの再交渉では、米国のトラックの関税率25%の撤廃時期を20年延期して2041年とすることなどが決められた(2019年2月13日付地域・分析レポート参照)。トランプ氏はナバロ氏の役割について、ホワイトハウスでの幅広い経験を生かし、政策分析やメディア対応のスキルを最大限に活用する、製造業、関税、貿易に関する政策を成功裏に進め発信すると説明している。

なお、ナバロ氏は、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を捜査していた議員団の召喚状に従わなかったとして収監されていた。2024年7月に釈放されている。

通商・経済を所管する閣僚級人事では、トランプ政権1期目で米国通商代表部(USTR)の代表を務めたロバート・ライトハイザー氏の政権入りが取りざたされていたが、これまで同氏に対する役職は発表されていない。政治専門紙「ポリティコ」(12月3日)は関係者のコメントとして、同氏が政権入りする可能性は高くないと報道している。そのため、同紙は、関税政策は商務長官に指名されたハワード・ラトニック氏(2024年11月20日記事参照)や、財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏(2024年11月26日記事参照)らが中心に進めると指摘している。なお、トランプ氏がラトニック氏指名の際に、同氏がUSTRに対して直接的な責任を負って関税や通商政策を主導すると述べたことから、USTRの影響力は商務、財務長官らほど高くないとみられている(注2)。USTR代表にはジェミソン・グリア氏が指名されている(2024年11月28日記事参照)。

(注1)いずれもトランプ政権1期目で新設された役職。バイデン政権下では同様の役職は設置されなかった。

(注2)ただし、トランプ氏の政権移行チームは「商務長官がUSTRに対して直接的な責任を負う」ことの具体的な意味については、説明していない(「ポリティコ」11月27日)。

(赤平大寿)

(米国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください