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イエレン米財務長官が訪中、経済に関する新たなイニシアチブ発表、過剰生産には懸念(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月10日 13時55分

米国のジャネット・イエレン財務長官が4月3~9日に訪中した。李強首相、何立峰副首相ら複数の要人と会談し、新たなイニシアチブを発表した一方で、中国の過剰生産能力には懸念を表明した。イエレン長官の訪中は、ジョー・バイデン大統領と習近平国家主席の4月2日の電話会談の直後に正式に発表されていた(2024年4月3日記事参照)。

米国財務省の発表によると、イエレン長官は4月5~6日に何副首相と会談し、米中2国間の経済関係などについて、率直かつ生産的な議論をした。また、両者はこれら議論の後に、経済課題に関する2つの新しいイニシアチブを発表した。概要は次のとおり。

国内経済と世界経済の均衡ある成長に関する意見交換:経済ワーキンググループ(EWG)の枠組み(2024年2月9日記事参照)の下、米国財務省と中国財政部が共同で主導し、内需、投資政策、高齢化、財政問題など国内経済と世界経済の均衡ある成長に関する集中的な意見交換を行うことに合意。
反マネーロンダリングに関する協力と意見交換:米国財務省と中国人民銀行(中央銀行)は、金融ワーキンググループ(FWG、2024年1月23日記事参照)の枠組みの下で、不正な金融取引に対処するためのベストプラクティスを定期的に共有するなど、マネーロンダリング撲滅のための意見交換に合意。最初の意見交換は、今後数週間のうちに開催される第4回FWGで行われる。

そのほか、イエレン長官は何副首相との会談で、中国の非市場的政策や慣行の広がりと規模、それらが米国の労働者や企業に与える影響について懸念を示した。中国経済の特定分野で過剰生産能力が高まっている兆候があると指摘し、その懸念に対処するための行動を促した。また、在中国の企業を含め、企業はロシアのウクライナ侵攻に対して物質的な支援をしてはならず、仮にそうすれば重大な結果を招くと強調した。イエレン長官は、米国のいわゆる経済安全保障上の措置の範囲は狭く、透明性を持って実施し、米国は中国とのデカップリングは望んでいないとするバイデン政権の従来の方針も併せて強調した。

イエレン長官は4月6日に行われた李首相との会談でも、中国の過剰生産や、それが米国の労働者や企業に与え得る影響などについて懸念を示した。そのほか、低所得国や新興国の債務問題など、世界的な課題に対する協力の重要性も強調した。

イエレン長官は訪中の間、藍佛安財政部長広東省の王偉中省長北京の殷勇市長北京大学国家発展研究院の教授らとも会談したほか、米国商工会議所主催のイベントに参加した。なお、イエレン長官の訪中に関する中国側の反応については、2024年4月9日記事を参照。

(赤平大寿)

(米国、中国)

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