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米メタ、個人情報保護違反に関するテキサス州の訴訟で14億ドルの和解金に合意、州単体では過去最大規模(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月6日 0時35分

米国テキサス州のケン・パクストン司法長官は7月30日、個人の生体認証データを違法に取得してテキサス州民数百万人のプライバシーを侵害したとして、メタを訴えた裁判で和解したと発表した。これにより、メタはテキサス州に今後5年間で総額14億ドルを支払う。州単体で起こした訴訟の和解金としては過去最大規模となる。

今回の訴訟は、メタが州法に反して事前の通知や本人の同意なく、同社のSNSのフェイスブックに投稿された写真に含まれる顔の形状などの個人の生体認証データを10年以上にわたって違法に収集しており、プライバシー権を侵害したとして、パクストン司法長官が2022年2月に提訴していた。メタは「顔認証技術は強力なツールであるものの、この技術全体の使用に関する懸念の高まりに対処する必要性がある」として、2021年にフェイスブックでの顔認識システムを停止し、顔認識のために蓄積していた10億人分以上の顔写真データを削除するなど対処を進めてきたが、今回さらに和解金を支払うことで和解にこぎつけた。

今回の和解を受け、メタの広報担当者は「この問題を解決できたことを喜ばしく思うとともに、データセンター開発の可能性を含め、テキサス州での事業投資を深める今後の機会を探っていきたい」と述べている(テッククランチ7月30日)。

近年、メタをはじめとする大手テック企業は、個人情報のプライバシー侵害の疑いで規制当局や消費者から厳しい目を向けられている。米国では、連邦レベルでの包括的なプライバシー保護法は存在しないものの、州レベルでは独自のプライバシー法を制定する動きが活発化している。7月時点で包括的なデータプライバシー法を制定しているのは、カリフォルニア州やバージニア州などを含めて全米19州に及ぶ(2024年7月9日記事参照)。こうした州法は、個人が特定できないようなデータや公開データなどを除き、個人データの収集や使用、開示などに関する決定権を個人に付与し、企業がこれらのデータをビジネスに利活用する場合に順守すべきルールを定めている。

なお、米国議会は連邦レベルでの個人情報のプライバシー法の採択を目指しており、2024 年4月には、2024年米国プライバシー権法(APRA)の討議草案を発表した。同法案は、テック企業による個人データの収集・利用を規制するための全米共通の基準になることを期待されていたが、6月に再提出された法案では、保護された特性に基づいて差別的な方法で個人データの使用を禁じる規制など、幾つかの重要な規制が削除されていた。現在も法案づくりが難航しており、同法成立の行方は依然として不透明だ。

(樫葉さくら)

(米国)

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