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ミレイ政権、国政選挙に単一投票用紙を導入(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月13日 0時15分

アルゼンチン政府は10月18日に法律27781号を公布し、国家選挙法(法律19945号)を改正して、国政選挙に単一投票用紙を導入した。これにより、2025年に実施される国会議員選挙で初めて単一投票用紙が使用されることになる。新たな用紙は、1枚の横軸に政党名、縦軸に選挙対象となる役職が表示され、有権者は意中の候補者にチェックを付けて投票する。有権者が容易に政党と候補者を視認できるようになる。

写真 これまでの国政選挙の投票用紙(ジェトロ撮影)

これまでの国政選挙の投票用紙(ジェトロ撮影)

コルドバ州、サンタ・フェ州、メンドサ州の3州で実施される地方選挙では、既にそれぞれ異なる様式の単一投票用紙が用いられており、メンドサ州の用紙が国政選挙で使用される用紙のモデルとなった。

ただし、国政選挙の単一投票用紙には、メンドサ州の用紙とは異なる点がある。政党ごとの一括投票欄が設けられないことだ。同州では、ある政党の一括投票欄にチェックを入れれば、全ての役職についてその政党の候補者に投票することになるが、上院での法案審議の過程で削除された。一括投票欄が知名度の高いリーダーを擁する全国政党に有利に、地方政党に不利に働く可能性があるからだ。

これまでは、国政選挙に参加する各政党が投票用紙を用意するという仕組みだったが、単一投票用紙の導入は、国政選挙で散見された2つの慣行に終止符を打つと言われている。1つは、投票所での投票用紙の盗難や隠匿だ。有権者はこれまで、投票所で選挙管理人から同管理人の署名入り封筒を受け取り、個室で意中の政党が用意した投票用紙を封筒に入れるというかたちだった。ところが、個室に投票用紙がなく、意中の政党や候補者に投票できないということが起きていた。もう1つは、小規模政党が選挙前に候補者を次々と擁立し、投票用紙印刷のために国から支給される資金を利用しようとすることだった。

国政選挙への単一投票用紙の導入は、マウリシオ・マクリ元大統領の時代(2015~2019年)にも、正義党(いわゆるペロン党)に対抗する勢力が推進したが、実現しなかった。

(サンティアゴ・ブリニョーレ、西澤裕介)

(アルゼンチン)

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