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老後資金確保の切り札?「リバースモーゲージ」とは

JIJICO / 2015年5月13日 14時0分

老後資金確保の切り札?「リバースモーゲージ」とは

老後資金確保の切り札?「リバースモーゲージ」とは

自宅を担保にお金を借りることができる「リバースモーゲージ」

「国の年金だけでは、将来が不安」。そう感じている人は多いでしょう。老後の生活資金をいかに確保するかは、少子高齢化問題に直面し、公的年金制度に不安を抱える私たち共通の関心事です。

そんな中、注目を集めているのが「リバースモーゲージ」と呼ばれる金融商品です。これは自宅を担保にお金を借りることができる仕組みです。例えば、自宅の土地を担保にして、金融機関からお金を借り入れします。この借り入れたお金は毎月年金のように受け取れたり、リフォーム資金など、まとまったお金が必要な場合は一括で受け取ることができます。返済は毎月利息のみで、元金については借りた人が亡くなった時点で担保になっていた不動産を処分して返済します。住み慣れた家を手放すことなく、老後資金を調達できるのが最大の魅力です。

現在、いくつかの金融機関が「リバースモーゲージ」を取り扱っていますが、商品によって借り入れの条件などが異なるので注意しましょう。例えばリバースモーゲージをいち早く取り入れた東京スター銀行では、一戸建て住宅のほかにマンションも融資の対象としています。この他、みずほ銀行では、一都三県の一戸建てで、かつ土地の評価2,000万円以上を融資対象としていたり、三井住友信託銀行では、融資対象が不動産価値8,000万円以上と、かなりハードルが高く、金融機関によって様々です。また、市区町村の社会福祉協議会を窓口として、特に低所得者を対象に国が同様の仕組みを実施しています。

老後資金確保の選択肢として不動産取得者には魅力的

リバースモーゲージを検討する際、気をつけなければならないことは、借りた人が亡くなったときに元金をどう返済するかという問題です。通常は担保となっていた土地や建物を手放して完済とするのですが、当然ながら相続人はそのことをあらかじめ知っておかないとトラブルになりかねません。また、担保価値の下落や金利の上昇も「借り入れのコスト」に大きく影響を与えてくるところですので、適時チェックしなければなりません。原則、住宅ローンの支払いが終わった不動産しか融資の対象となりませんので、住宅ローンの返済計画とリバースモーゲージによる資金計画の両方が必要です。

現在は商品のバリエーションが少なく、利用できる人は限られていますが、老後資金確保の選択肢として、特に不動産を取得している人にとっては魅力のある商品といえるでしょう。今後、世の中のニーズの高まりとともに、取り扱い金融機関も増えていくことが予想されますので、注目したいところです。

(山中 伸枝/ファイナンシャルプランナー)

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