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「学び直し」で社会復帰を実現するには

JIJICO / 2014年8月24日 10時0分

「学び直し」で社会復帰を実現するには

「学び直し」で社会復帰を実現するには

文部科学省は「学び直し」を大幅拡充する方針を決定

出産や子育てでブランクがある女性の社会復帰を支援する「学び直し」施策を知っていますか?大学や専門学校、公民館などで専門的な知識や技能を身につけてもらい、地元企業への就職や地域活動を始める女性を増やす制度です。文部科学省は、この制度を来年度から大幅拡充する方針を決めました。

今、第一子出産後に約6割の女性が仕事を辞めています。その女性たちが、子どもが成長し再就職を考えた時、戸惑うケースは少なくありません。仕事の探し方や家庭との両立への不安、そして「ブランク」によって社会で役立つのかどうかの不安が何より大きいからです。

そこで、働き続けていたら身についていたはずの知識・技能を「学び直し」によって習得し、自信をもって社会へ復帰してもらいたいというのが「学び直し拡充」の理由です。

「勉強したら必ず就職できる」と保障されているわけではない

しかし、女性の在宅就業支援事業の就職率が4割にとどまっていることが問題となっています(8/21付 読売新聞)。また、職業訓練の就職率も、コースによっては6~7割程度という結果も(厚生労働省 平成24年度 公共職業訓練実施状況)。

学び直しは「勉強したら必ず就職できる」と保障しているわけではなく、自律的に学び、知識・技能を積極的に習得し、就職の準備をしていくことで社会復帰につながるのです。また、学び直しの期間中には、チームで何かをやり遂げるためのチームワークスキルや、報告・連絡・相談、時間を守るといったビジネスマナーも身につけなければなりません。

不用意な「学び期間の延長」の選択は、社会復帰を遠ざける

大人になっての学びは楽しい時間でもありますが、同時に苦しい時間でもあります。家庭と両立しながらの勉強、独身時代と年齢を重ねた今の自分とのギャップ、新しいビジネスマナーの習得など、忙しさや厳しさに疲れてしまうこともあるでしょう。それを乗り切って社会へ復帰するためには、「この分野の知識・技能を習得したい」「社会復帰したい」という強い思いが求められます。何を学びたいのか、どのように社会に貢献したいかを考えるのは、自分と向き合う貴重な時間です。この機会にじっくり自己分析をしてみるのも良いでしょう。

「とりあえず資格を取得したい」「とりあえず勉強しておきたい」と「学び期間の延長」を選択してしまっては、ブランクが長くなるばかりで社会復帰は遠のき、年齢だけを重ねてしまいかません。本当に自分の興味や能力に合ったものを学び、社会で役立つイメージを持ちながら目標を立てて学ぶことが大切なのです。

(島谷 美奈子/キャリアカウンセラー)

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